初めて不動産を売却する方にとって、いったい何社に査定(見積もり)を頼むべきか目安が分からないですよね。
しかも依頼先が増えることで情報を管理しにくくなったり、営業の電話やメールなどが増えたりといったデメリットに囚われて、1社だけに査定依頼をする人も多くいます。
しかし、査定は売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ上でも重要資料のため、1社だけに査定依頼をすることは不動産売却で大損する可能性をあげてしまいます。
そこで今回は、不動産売却をする上で複数社に査定依頼する3つのデメリットと、6つのメリットを解説します。
1社だけに査定依頼するデメリット
デメリット1.相場を把握できないので売り出し価格を決めづらい
売却を不動産会社へ依頼する前に、「自分の家は一体いくらぐらいの値段がつくのか?」おおよその相場価格を頭の中に入れておくことが大切です。
もし売主のあなたが相場価格を全く知らない場合、不動産会社だけに都合の良いように言いくるめられても、情報格差が大きいため疑うこともできません。不動産会社と対等に相談できる関係を築くためにも、ざっくりとした相場を把握しておく必要があります。
相場を把握する方法としては次の4つの方法があります。
- 不動産ポータルサイトを活用して、近隣の物件の売り出し価格を調べる
- 国土交通省が公表するREINS Market Informationまたは不動産情報ライブラリで近隣の成約価格情報を調べる
- AI査定サービスを使って、おおよその市場価値を知る
- 不動産会社に査定依頼する
そもそも査定価格とは、不動産会社が推測する「物件の成約予想価格」であり、1つの意見です。買取の場合を除き、査定価格での売却を保証するものではありません。
そして査定価格自体を見るのではなく、算出した根拠をしっかり確認した上で、本当に査定価格で売却できそうか、妥当性はあるのか、売主のあなたが判断を下さなくてはなりません。そして、不動産会社の査定を参考に、自分で売り出し価格を決める必要があります。
そのため、1社にだけに査定をしてもらっただけでは判断材料が少なすぎます。高額査定に惑わされたり、単純なミスをしている場合でも、物件があるエリアに精通している不動産会社が言うことだからと疑いの目で見ないかもしれません。
もし相場とかけ離れた金額で売り出して何ヶ月も売れ残ってしまうと、購入希望者との交渉時に不利な条件や金額を受け入れて、損をする可能性もあります。
このように、1社だけに査定依頼すると、最初の売り出し価格を決める時点で、失敗を回避できなくなってしまいます。
デメリット2.売却条件の交渉が不利になり、時間がかかってしまう可能性がある
1社と専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶ場合は、「レインズに登録する」「売却活動報告をする」義務があるというメリットもあります。
媒介契約については、一般、専任、専属専任の違いを徹底解説!なぜ不動産売却では一般媒介契約が一般的でないのか?で詳しく説明しています。
しかし不動産会社1社に情報を独占され、囲い込み・値ごなし・安く買取られるという最悪のパターンに持ち込まれるリスクがあります。
他の不動産会社から問い合わせや内覧の打診があっても数ヶ月放置(囲い込み)して、結果的に大幅に値下げを要求(値ごなし)したり、何ヶ月も誰の目にも触れず売れないという状況に陥り、最終的に安く買取したいと言われることもあります。そして買取業者に紹介する場合は、裏で紹介料をもらっているなんてことも、残念ながらありえます。
詳しくは現役不動産営業マン激白!仲介業者の「オモテとウラ」ぶっちゃけトーク【2024年最新版】も併せてご覧ください。
しかも複数の会社に依頼していないと、不動産会社間の競争原理が働かないため、売却条件の交渉の余地が無くなり、不利になってしまいます。
さらに、もしその不動産会社があまり信用できないと感じても、契約期間があるため、すぐに他の会社に切り替えることができません。そして別の信頼できそうな会社探しを1から再び始めないといけないので、スピード感が落ちてしまい、売却完了までにかえって時間がかかってしまいます。
デメリット3.売却の成否が不動産会社の良し悪しに左右される
不動産会社1社のみに依頼すると、その会社の販売力に大きく左右されます。もしも販売活動が不十分だったり、顧客ネットワークが狭かったりすると、なかなか買主が見つからず、売却までに時間がかかってしまう恐れがあります。
そもそも不動産会社にとっては成約しないと仲介手数料が発生しないため、自社だけに依頼される専任媒介契約や、専属専任媒介契約だと嬉しいものです。なぜなら「時間はかかっても、いつか売れた時に必ず仲介手数料をもらえるから」です。
しかし依頼する不動産会社によっては、媒介契約を結んだとたん、必ず行う必要がある「レインズへの登録」や「定期的な販売活動報告」もせず、放置される場合もあります。「たまたま最初に相談した不動産業者が、あまり良い業者でなかった」というリスクが常に付いて回ります。
しかも、売主に誠実な不動産会社か、自分の利益しか考えていない不動産会社かを見分けることは難しいのが実情です。
また、より良い販売戦略が他に無いのか分からないため、気付かぬうちに損をしている可能性もあります。
次に、複数の不動産会社へ依頼する6つのメリットについて詳しく説明します。
複数の不動産会社へ依頼する6つのメリット
メリット1.得意分野が違う複数の不動産会社と繋がれば、高く早く売却できる可能性が高まる
不動産会社は、扱う物件の種類や地域、販売方法など得意分野が違い、それぞれのネットワークを持っています。
例えば、
- テレビCMでも見るマンションに特化した大手不動産会社
- 都心部の物件を多く扱う、地域の大手不動産会社(鉄道会社系列不動産会社など)
- 郊外の物件を得意とする、創業数十年にわたり地域密着の小規模な不動産会社
など、異なるタイプを織り交ぜて複数の不動産会社に依頼することで、物件の魅力を存分に引き出す方法や、販売ノウハウを提案してもらえます。
そして各社のネットワークを活かした販売活動を行えば、1社にお願いする場合と比べて、より多くの購入希望者を集客でき、結果的に高く早く売却できる可能性が高まります。
つまり査定時の価格を導き出した根拠の説明や提案内容を受けて2社以上選ぶことで、売却活動の成功率が高まります。
なお、媒介契約を結ばなかった時や、他の不動産会社経由で買主が決まった時には、必ず一言連絡を入れておくと良いでしょう。何かで困った時に、すぐに相談できる不動産会社が何社かあるだけで、最初の一歩が楽になります。
メリット2.相場価格を把握でき、いくらで売り出せば良いのか適切に判断できる
複数の査定を見比べることで、市場での家の価値や、実際にいくらで売れそうか、相場感を把握できます。結果として、安く買取られてしまったり、相場からかけ離れた高値で売り出していつまでも売れ残るという事態を避けられます。
不動産会社によって、マンションに特化していたり郊外エリアに強みがあるなどの特色はありますが、過去の成約情報や取引実績、市場の分析結果、地域情報などを知り尽くしています。
不動産会社と比べると売買経験が少ない不動産オーナーは、知識や情報量では圧倒的に不利な立場のため、セカンドオピニオンとしても複数の不動産会社への相談が必ず必要です。
それらの情報から各社が導き出した査定価格を参考にして、売主は自分の目的に合わせた売り出し価格を適切に決められます。
メリット3.物件を客観的に正しく評価できる
実は、不動産会社によって査定基準や重視するポイントは違います。例えば最も重きを置くポイントが、立地なのか、建物・室内の状態なのか、設備なのか。そして会社によって地域の情報ネットワークや、顧客リストも違います。
先述した通り、査定価格というのは成約予想価格であり、1つの意見に過ぎないので、1つの査定書を見るだけでは偏りが出ることもあります。複数の会社の査定書を比較することで、どこがプラス評価で、どこがマイナス評価に繋がりやすいのか客観的かつ総合的に把握できます。客観的な評価は物件のアピールにも活かせます。
特に、オーダーメイドの不動産は一般的な市場価格に収まらない独自の価値があるため、さまざまな視点からの評価が必要になります。
また、マイナス評価に繋がる部分は必要に応じて修繕をしたり、築20年を超える場合は瑕疵担保保険(売却後に見つかった補修費用の一部を補填できる保険)をつけて売るなど、客観的に評価できれば、どうすれば買ってもらいやすいか、取るべき戦略が見えてきます。
メリット4.不動産会社と媒介契約を結ぶ際の重要資料になる
不動産会社選びというのは、不動産売却のパートナーを選ぶことです。
次の5つの判断材料を元に、査定依頼した会社の中から、どの会社と媒介契約を結ぶかを選びます。
- 各社の得意分野
- 担当者の対応スピード
- 査定価格を算出根拠が納得できたか
- 担当者から提案された販売戦略・提供サービス
- 担当者の物件エリアの知識、情報量
注意点は、大手企業であっても、経験や対応力は営業担当者によりけりで、中には癖がある方もいる点です。複数社に査定を依頼し、査定価格だけでなく判断材料を総合的に比較することで、物件を積極的に売ってくれそうな、信頼できる担当者を見極められます。
もし査定を依頼した会社の中で、選択に迷う場合は、最初の3ヶ月はひとまず全ての会社と一般媒介を結ぶと良いでしょう。3ヶ月間、実際に販売活動の対応や販売力を見てから、1〜3社ほどに絞り込むのが賢いやり方です。
メリット5.自分の目的に合った売却戦略を練ることができる
複数の不動産会社から提案された査定価格を並べてると相場感を掴めるので、売却理由や期限などに合わせて「1年ほど時間に余裕があるので、このくらい高めに売り始めてみる」「3ヶ月以内には売り終わりたいので、査定額で売り始めて少しずつ価格を下げてみる」などの売却戦略を練ることができます。
さらに売り出し価格だけでなく、いくつかの集客施策を提案してくれる会社もあります。
集客施策とは、例えば次のようなものがあります。
- 集客力のある物件検索サイトを使う
- おすすめ物件として広告の目立つ位置に掲載する
- 各不動産会社の公式サイトへの掲載する
- 特によく見られる外壁・玄関の見た目を綺麗にする
- 室内撮影時にVRを使った家具消し・家具配置で家の魅力を伝える
- 家の状態を専門家が調査する(インスペクション)
- 物件に保険・保証をつける(既存住宅売買瑕疵保険)
- 購入希望者を集めた見学会・内覧会を開催する
- 購入希望者が生活シーンを想像できる演出をする(ホームステージング)
- リフォームの参考プランをつける
- 新築マンションのような資料をつくる
会社の数だけ、販売手法や提案内容は異なります。複数の不動産会社からの提案を受けて、より良い条件で売却できるように慎重に戦略を練りましょう。
メリット6.有利な条件での売却交渉がしやすくなる
不動産会社は査定後に、まず媒介契約の獲得を目指しています。通常、仲介手数料は物件価格に応じて3%程度で設定されることが多いですが、他の会社が提示した条件などを伝え、媒介契約を結ぶ際に仲介手数料の割引を交渉するなど、有利な立場を確保できます。
不動産仲介の仕組みを知ろう。なぜ仲介手数料が無料な場合があるのか、徹底解説します!も併せてご覧ください。
不動産会社は専任媒介契約に誘導しますが、買主を見つけられる絶対的な自信がある不動産会社に対しては、一般媒介契約で「3ヶ月毎に更新」など強気の契約内容を打診することもできます。
特に不動産会社が多いエリアでは、売主の取り合い状況のため、一般媒介に持ちこみやすいでしょう。もし媒介契約後の対応や行動が不安な不動産会社にあたっても、並行して複数社から集客できるので、買主が見つかる可能性が高まり、高値での売却も期待できます。
HowMaのコラボ査定をお勧めする理由
では、効率よく複数社に査定依頼するにはどうすれば良いでしょうか?不動産会社のお問い合わせフォームに1つずつ問い合わせたり、来店するのは時間も手間もかかってしまいます。そこで一括査定サイトがお勧めです。しかし、どの一括査定サイトがいいのか選びきれないですよね。
HowMaはコラビットが運営する一括査定サイトです。AI査定サービスを日本で初めて提供した企業で、大手から地元密着型まで全国6,463の不動産会社と提携しています。
では他の一括サイトと何が違うのか、HowMaコラボ査定を利用するメリットを5つ説明します。
HowMaコラボ査定を利用する5つのメリット
- 1億件以上の取引データを分析できる「AI査定」に加え、不動産会社の「プロ」の目線の査定を組み合わせることにより、価格や戦略を決めやすい
- 業界大手の不動産仲介会社出身の宅建士がチャットで、買主・不動産会社とは違う第三者の立場から無料サポートをしてくれる
- 提携している不動産会社は地域密着型や、登録した物件がある地域での売却実績が多い実力派の会社が多く、AIだけではわからない肌感の高い査定が見られる
- 最新の相場情報や、周辺の取引事例をAIが常に収集しているので、査定金額に変動があったらメールやLINEで知らせてくれる
- グループチャット機能を使うと、複数の不動産会社に一括で連絡をできる
HowMaのコラボ査定をおすすめできない2つのケース
HowMaは成長中のサービスのため、次のような方には向いていません。
- 収益物件(投資用一棟アパートや商業ビルなど)や農地、リースバックの査定をしたい人
- 弁護士や税理士への相談も一箇所で行いたい人
より良い条件で売却するために、必ず複数の不動産会社に査定依頼しよう
不動産の売却では、最低でも数百万円の大金が動きます。少しでも早く高く売るためには、複数の不動産会社に査定を依頼して、買主を見つける経路を増やすことが重要です。
具体的には、最低でも3社以上には査定依頼をするべきです。一括査定サイトを使う場合は、それぞれのサイトによって提携している不動産会社が違うので、いくつかを併用するとさらに良いでしょう。
HowMaは連携している全国6,463の不動産会社様から、AIがあなたの物件に合った不動産会社をピックアップします。
HowMaを実際に使った方からは、「他の一括査定サイトと違って、選択肢が10以上表示されたところが良かった」「もっと多くの不動産会社と繋がりたいと思って、コラボ査定を2回やると、1違う選択肢が表示された点が良かった」などのご意見もいただいています。