今新築のマンションも年月を経ると老朽化し、いつかは取り壊しや建て替えをしなければならなくなります。
渋谷にある日本初の分譲マンション「宮益坂ビルディング」も、2016年から建て替え工事を開始、2019年には15階建てのマンションに生まれ変わる予定です。
1954年に完成し築60年を超えていまる宮益坂ビルディングは、11階建て、渋谷駅徒歩2分、宮益坂の途中にあります。
立地も良く、資産価値も高いマンションですが、計画から建て替えまで約25年かかったそうです。
実はマンションの建て替えが実施された事例というのは200程度しかありません。
それだけ、色々ややこしく、難しいのです。
マンションの建て替えには4/5の賛成が必要
マンションの建て替えには所有者の80%、4/5の賛成が必要です。
杭打ちの不備で傾いてしまった横浜のマンションでも話題になりましたが、各オーナーにも様々な事情があり、合意形成は容易ではありません。
横浜のマンションの場合は700世帯以上が入る大きなマンションですし、難航が予想されます。
仮に80%の賛成が得られても、実際問題としては1人でも反対する人がいると、話を進めるのが難しくなります。
反対している人の所有分を買い取ったりといったことが必要になります。
解体費用、建て替え費用
巨大なマンションを壊し、新しくマンションを建てるにはもちろん莫大なお金がかかります。
同じ戸数のマンションが建ち、そのまま現状の所有者が入居するのであれば、所有者が分担してその費用を捻出しなければなりません。
そんな大きなお金を所有者全員が用意できるかどうかも分かりませんし、建て替えの合意を取る際に大きな問題となります。
等価交換方式
等価交換方式とは、まず、所有者が土地を、不動産会社が建物の建設資金を出資して新しいマンションを建てます。
新しいマンション完成後に、所有者と不動産会社がそれぞれの出資比率に応じて土地建物を取得するという方法です。
今までの建て替え事例はこの方式を採用したものが多くなっています。
この方式では、現在のマンションより大きなマンションを建てる必要があります。
現在の所有者以外の新しい所有者にマンションを売ったお金で、現在の所有者の建て替え資金を生み出すというのが前提になっているためです。
今より大きなマンションを建てられるのか
建設時には大丈夫だったが、法改正によって現在では容積率オーバーといったマンションも数多く存在します。
そういったマンションの場合は建て替えをする時には現在よりも小さなマンションとならざるを得ないので、等価交方式は無理です。
また現在都心に立っている大型のタワーマンションなどをみていると、それより大きなマンションを建てるなんて…といったマンションも多く存在します。
今より大きな建物を建てることが難しいマンションはかなりたくさん存在すると思われます。
区分所有権の解消
建て替えは色々難しいとの話を進めてきましたが、実は日本では古くなったマンションは修繕による延命か、建て替えしか想定されていません。
そこで第三の選択肢として「区分所有権の解消」がスムーズにできるようにしていくべきだという議論があります。
これは、建て替えが進まない場合に、建物を解体して土地を売り、お金を分配するだけという手法です。
実は海外では、区分所有権の解消という手法をとる国がほとんどで、建て替えしか認めていないというのは、日本と韓国のみです。
いかがだったでしょうか。
日本は今後、古くなったマンションをどうするか?という問題に多く直面することになります。
古いマンションを持っている方は、早めに売却をするか、建て替えなどの問題に向き合っていくか、今のうちから考えておきましょう。
まずは、HowMaで自宅の価格をチェックしてみてください。
築年が古いマンションがどれくらいで取引されているかの相場も是非HowMaでチェックしてみてください。