地盤の良い場所の不動産が今後は高く売れる!?

不動産の売買価格を左右する要素としては、駅に近いなどの立地、斜面や旗竿地、道路に面しているか、正方形、長方形といった土地の形や位置している場所、その他にも治安の良さや周辺環境など様々なポイントが絡んでくるものです。

それらの人間が作った環境以外に最近注目されている要素として「地盤の強さ」というものがあります。
なぜ地盤が強い場所の不動産が評価されるのか、また具体的にはどのように評価されているのかをみてみましょう。

自然災害への危機感が高まっている

2011年の東日本大震災、そして2016年の熊本大地震と日本では、二度の震度7以上の震災が2010年代に入って起こっています。
特にこういった震災では地震に強いと言われた住宅が崩壊していたり、津波の被害が深刻なものであったりと、自然災害の脅威を目の当たりにした人も増えています。

一方で関東地方、東海地方で直下型の大地震が起こる可能性があるということは何十年も前から言われており、また震災が立て続けに起こったことで、地震や津波などの自然災害に強い家に住みたい、という需要が高まっているのです。
木造の戸建てよりもマンションを購入する人が増えている背景には、自然災害、特に耐震性の高さを重視する人が増加している、という背景があるとも言われています。

地震に強い場所を選ぶには

地震に強い土地、地震に弱い余地を素人が見抜くにはどうしたら良いのでしょうか。

簡単に調べられる手段としてが、国土交通省が公開しているハザードマップのサイトを見るという方法があります。https://disaportal.gsi.go.jp/

このサイトでは2つの方法で自分の住んでいる場所、そして家を買おうとしている場所が災害に強いかどうかを調べることができます。
「重ねるハザードマップ」では、地図に合わせてそのエリアの情報を表示してくれるようになっています。
地震に強い土地かどうかを調べるには土砂災害から都市圏活断層図などをみていけば、断層があり、地震の影響を受けやすいかどうかを判断することができます。
またその場所が明治以前には低湿地であったのかというポイントも、土地の地盤の強固さを判断する基準になるでしょう。

もう一つ見ておきたいのが「わがまちハザードマップ」です。
これは自治体が公開している災害への強さや対策へのリンク集となっています。
自分が住んでいる、住みたい自治体が必ずしもそういった情報を公開しているとは限りませんが、洪水や高潮、津波や土砂災害などいろいろな自然災害への対応を知ることが可能になっています。
大抵の主要な自治体であれば情報を確認することはできます。

耐震性の高い土地を専門に斡旋するサイトも

最近では不動産業界も、安全性の高い住宅がほしいという要望に応えるために、強固な地盤上の土地や住宅のみを紹介するサイトも登場しています。

上建て地や液状化現象の起こる可能性のある平地よりも、台地を重視して紹介しており、また丘の上の台地であっても、切り土や盛り土などのリスクのあるものは紹介しない、といったポリシーのもと安全に生活をしたいという人々の需要に応えているのです。

地盤の危険度を地図上で色分けし、一目で確認できるようになっていたり、具体的な危険度スコアも確認したりできるので、専門家でなくても安心安全な土地を選んで住宅を購入検討できるのです。

日本は特に地震が多く、外国人が来日して驚くことも多い国ですから、外国人向けに民泊物件を運営したいという人でも、そういった場所を選んで物件を購入したほうが良いでしょう。
また地盤が強い土地は自然に形成された台地の上にあることが多いので、駅近くの低層地に集中していた住宅需要を、駅からやや離れた丘の上にまで拡散させる効果も考えられます。
今まで駅から遠い、坂の上などという理由で敬遠されていた中古住宅に需要が出てきたり、空き家をリノベーションして活用したりするといった動きも今後は増えて行くかもしれません。

今後は投資や売却用物件でも地盤の強さがアピールポイントに

地盤が強固であることを重視する人は増えており、特にそこに長く住むつもりで住宅や不動産を購入するファミリー層にとっては、何よりも重視するポイントになるかもしれません。
住宅を買う場合だけではなく、相続した丘の上の空き家を売りたい、と考える時にも地盤の強固さや自然災害への強さをアピールしていけば、思わぬ金額で売れる可能性も出てきそうです。