マンションを購入する時には、売却を前提として資産価値が下がりにくい場所の物件を購入したいとい方が増えています。基本的には高層階ほど資産価値が下がりにくく、また購入価格も高くなる傾向にありますが、それ以外にも資産価値に影響する要素はあります。
そこで階数以外にマンション内で物件価格に影響するポイントを3つ紹介します。
1. 日当たりがいい:方角は南向きが人気
マンションに限らず住宅で人気が高い部屋の向きは南向き物件です。南向き物件は陽の光が入りやすいため、照明なしでも部屋の中が明るく、エアコンなどに頼らずとも暖かくなります。特に秋から冬の季節にかけては、南向きとそうでない部屋では快適さで大きな違いが出て、光熱費にも影響します。
おおよそ、南向きの部屋と購入価格で比較して、東向き・西向きの部屋は約5%、北向きの部屋は10%ほど安くなると言われます。
もちろん部屋の明るさや気温に我慢できる人ならば北向きの部屋を購入しても、価格が安くなるというメリットがあります。しかし売ろうとした場合に、人気が高いのも南向きの部屋なのです。タワーマンションが売りに出された場合、部屋の抽選などでもまずは南向きの部屋から購入が埋まっていき、最後に残るのは北向きの部屋というケースが非常に多いです。
タワーマンションであれば目の前に建物などもなく、窓も大きいものが多いのである程度日照時間などの弱点がカバーできるのですが、それでも売りやすさと売却価格の観点から、南向き部屋を購入しておくに越したことはありません。
2. 音や臭いの影響を受けない部屋:ディスポーザーの設置場所で訴訟に発展した事例も
マンションの高層階というと、非常に人気が高く売却価格も高いものと思われがちです。しかし屋上に近い場所で、屋上設備の真下にある物件は避けたほうが良いと言われています。
実際に屋上の下の階に部屋を購入した人が、ベランダから悪臭が入ってくるとマンション販売会社に対し、訴訟を起こした事例があります。どういった内容かというと、生ごみ処理機の排気口が部屋の真上にあったことが問題になりました。
最近のマンションでは生ゴミ処理用のディスポーザーがついているものが多く、生ゴミ処理施設の排気口は通常屋上にあります。そこから排出された悪臭がベランダを通って部屋の中に入り、体調を崩したという訴訟を住人が起こしたのです。
実際にこの訴訟では購入者はマンションの購入費用に相当する、約6千万円の費用の損害賠償を請求しています。しかし臭気判定士(国家資格者)が測定した臭気指数が許容度を超えていなかったことや、マンション居住者の利便性と引き換えに発生した臭気であることなどから、請求が棄却されました。
さらに、上記の件の場合は悪臭だけではなく、機械音もうるさかったという声が上がっているため、屋上に近い部屋だからといって必ずしも住環境が良いとは一概にいえないのです。重要なのは高層階にあり、かつ音や臭いの影響を受けない部屋を選ぶことなのです。
3. 部屋に向かって風が吹かない:煙草の煙が入ってくる事例
また排気関係の問題でもう一つよく問題になるのが、タバコの煙です。マンションを購入する時は、臭いや煙のトラブルを避けるために、部屋に向かってあまり風が吹いてこない部屋を選びましょう。
最近では臭いや脂が着くので、部屋の中で喫煙する人は減りましたが、それでも愛煙家の人はベランダやバルコニーで喫煙しています。そして喫煙で発生した煙が換気扇などから上の階の部屋に入り込み、自宅ではなく上の階の部屋にタバコの煙が染み付いたり、脂がこびりついたりしてトラブルが発生しています。
基本的にはバルコニーやベランダは個人の所有物になるので、喫煙の自由は認められる権利なのですが、上と下の住人でのトラブル発生をなくすためにマンションの管理組合の取り決めとしてベランダやバルコニーは禁煙になっているマンションも多くあります。
どうしてもベランダやバルコニーが設置される方向は同じ向きになりがちですが、マンションの立地によって吹きやすい風向きは決まっています。極力自分たちの部屋に風があまり吹いてこないようなマンションを選べば、タバコの煙の問題に悩まされることは少なくなります。
トラブルを回避したいなら中古マンションの購入も視野に入れるべき
新築マンションの場合、実際にその物件に住むまではどういったトラブルが起こるか分からない事もあります。中古マンションの場合は、どんな問題があったか、住む時にはどんな点に注意すべきかなど、前の住人やネットでの評判を調べることで、ある程度把握できます。
購入時からの資産価値を大幅に下げたくないのであれば、中古マンションを購入するというのは有効な手段かもしれません。