現況測量と確定測量の費用相場はどのくらい?測量の基本から節約方法まで【2024年最新版】

測量が必要と言われたけれど、測量って具体的にどんなもの?

不動産を売却する際、「測量が必要」といわれることがあります。

測量とは、その土地の面積・形状を機械で測り、図面に起こすことを指します。土地付きの戸建てを売却するときや、親などから土地を相続するときには、その土地面積を算出するために測量が必要となります。

ほとんどの人にとって、測量はあまり馴染みのないものですので、いくらくらい費用がかかるのか?どのくらい時間を要するのか?誰に頼めばよいのか?などさまざまな疑問点をお持ちかもしれませんね。

まずは、測量の種類を理解し、ご自身が必要とされている測量がどのようなものか把握していきましょう。

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1.現況測量(現地測量)とは

現況測量では、ブロック塀やフェンスなど現状ある境界をもとに、その土地を見たままに測ります。あくまで現状の面積であるため、境界線は未確定の状態となりますが、対象となる土地のおおよその寸法や面積、高さを測量できます。

土地の所有者などの依頼人が指示した位置で測量しますので、土地の境界点は隣地所有者の同意を得ることなく進められて、作業時間は短時間で終了します。

現況測量は、土地家屋調査士に依頼します。誰に依頼したらよいかわからない場合は、その土地を管轄する法務局へ問い合わせて紹介してもらうこともできます。

現況測量が必要になるとき

現況測量は、土地を持っている人や購入した人が新たに建物を建設する際、どのくらいの面積であるのか、どのような形状の土地であるかを知るために測量されることが多いです。

昔と今では測量技術が異なり、登記簿に記載された敷地面積と実際の面積が異なる場合がありますので、家を建てる場合には必ず行いましょう。また、土地を売却する場合にも、登記に記載された面積と一致しているか確認しておくことをおすすめします。

2.境界確定測量(用地測量)とは

境界確定測量も現況測量同様に土地家屋調査士に依頼をし、土地の面積や高低差を測量します。

現況測量との違いは、境界線の決め方です。境界確定測量では、実際に隣地所有者が測量に立会い、双方の合意をもって境界線を決めます。測量をもとにした図面に隣地所有者の署名捺印がなされると、確定測量図が完成します。

土地家屋調査士は境界線に関する見解の説明や署名捺印の説得までは行ってくれることが多いですが、意見が食い違っている場合などの交渉まで介入することはできません。隣地所有者と境界線について、話し合いでは折り合いがつかない場合には、弁護士を立てて争う必要がありますので注意しましょう。

境界確定測量が必要になるとき

境界確定測量は、土地を売却する際や抵当権を設定する場合に正しい土地面積を知るために行います。

特に、土地売却時において、都市部など評価が高いエリアでは、面積が少し異なるだけで大きく資産が変わることもあります。今は測量技術が向上し、より正確な測量ができますので、忘れず行っておくようにしましょう。

また、境界線があいまいな土地などは将来的にトラブルにならないよう、住んでいる人が変わる前に確定測量をしておくのがおすすめです。

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適正な測量費用がわからない!相場が知りたい

さて、ここまでで自分にあった測量方法がわかりました。土地家屋調査士に見積もりをもらったけれど、高いの?安いの?一般的な測量費用がわからなければ減額交渉をしたり、他の調査士に切り替えたりすることもできません。

測量費用の相場や内訳を見て、ご自身の測量費用が適正か確認していきましょう。

測量にかかる費用の相場は10万円~80万円?!

一般的な現況測量の場合、相場は10万~20万円ほど、境界確定測量の場合の相場は35万円~80万円ほどです。境界を確定させず隣地所有者の立会いも不要な現況測量の方が安価な測量になります。

境界確定測量では、現況測量で調査する内容を含んでいますので、比較すると当然高額になります。

測量費用の内訳とは

測量費用は大きく5つに分けられます。

(1)事前調査業務費用(2)測量業務費用(3)法務局への申請業務費用(4)書類作成費用(5)交通費や収入印紙代などの実費です。

見積もりをもらったときに業務内容・費用についての説明があるはずですが、疑問点や不明点があった場合には確認し、納得した上で測量の依頼ができるようにしましょう。

測量費用の相場にばらつきがあるワケ

土地の広さによって大きく費用が変わることはありませんが、広大な土地や複雑な形をした土地の場合には、一般的な土地よりも境界点が増えます。

境界点が増えるとその分隣地所有者が増えることもあり、単純に手間が増えるだけでなく各隣地所有者との連絡なども増えることになります。こういった場合は、相場よりも高くなる傾向があります。

官民査定の場合は費用は高額になってしまう 

隣地が道路や水路などの国や市などの公共用地の場合には、国や県などの担当者が境界線の立会いを行う必要が出てきます。

また、事前に役所などで資料を集める必要もあり、民間所有の場合よりも手間がかかります。

こうした官民査定の場合の測量相場は手間の分高額になってしまい、境界確定測量で60~80万円ほどかかると考えておきましょう。ただし、市区町村によっては、行政が測量費用を負担してくれるところもあります。まずは、不動産会社や役所に相談してみるのもよいでしょう。

不動産売却時の測量費用はどちらが負担してもよい

不動産売買における測量費用について、法律では売主・買主どちらが負担するか定められていません。そのため、買主に負担をお願いすることもできます。

ですが、買い手側は不動産購入費用やローン手数料など出費が重なること、少しでも購入のハードルを下げるために、測量費用は売主負担として契約することがほとんどです。ですが、話し合いによって決めることはもちろん可能ですので、不動産会社に相談してみるのもよいでしょう。

測量費用の節約方法はある?

登記が必要ない場合や、登記を自身で行える場合には、土地家屋調査士ではなく、「測量士」にお願いすることで登記申請分の報酬をカットできます。

ただし、登記申請手続きは煩雑な部分もありますので、知識のない人は事前に法務局へ相談し、自力で申請できる内容であるか確認をしてから依頼するようにしましょう。

また、お隣りさんから測量の立会いを依頼されたことがある場合には、同じ測量業者に依頼することで費用を節約できる可能性が高くなります。なぜなら、新規で調査から測量までを行うよりも作業量が減る可能性が高いからです。登記所にある地積測量図の作成者欄から、対応した土地家屋調査士を調べられるので確認してみてください。

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測量の流れと期間は?

現況測量の場合、隣地所有者の立会いは不要ですので、依頼から1週間程度で調査が完了します。

境界確定測量の場合、隣地所有者を含めた立会い日程の調整等も必要となり、1か月~3か月程度かかります。

また、隣地所有者と境界線が一致せず、揉めてしまうことも多々発生します。交渉に時間を要するなど、思いのほか時間がかかることもあります。特に不動産売却を考えている場合には、まずは測量だけでも早めに進めておくこととスムーズに売却活動を進められます。

現況測量の流れ

土地家屋調査士に依頼をし、土地の権利書や固定資産税に関する書類を用意します。

また、土地の「地番」を確認する必要があり、住居表示では特定ができませんので、注意が必要です。

土地家屋調査士は、法務局で登記簿や地積測量図、公図を取得します。隣地が道路や水路の場合には、役所で境界に関する資料などを取得します。

資料が整ったところでようやく現地の測量調査となります。現況測量等当日は依頼者の指示のもと、土地家屋調査士が測量を行い、結果を図面など資料にまとめ後日納品されます。

境界確定測量の流れ

基本は現況測量と同様ですが、境界確定測量当日には、依頼者、土地家屋調査士に加え、すべての隣地所有者の立会いが必要です。

仮設置した杭などの境界点を一つずつ確認しながら隣地所有者の同意をもらい、境界線を確定させていきます。

隣地所有者が国や市などの行政の場合には、役所の人も立会いが必要となります。隣地所有者が行政である場合、測量当日に境界線の同意を得られず、後日役所から承認してもらう必要があります。

その分、完了までの期間が延びてしまうので注意しましょう。境界確認書にすべての隣地所有者から署名捺印をもらい、資料にまとめたものが後日納品されます。

測量費用は工夫して賢く節約しよう

測量は馴染みのないものですが、どういったものなのか、自分が必要とする内容はどのようなものなのかをしっかり整理し把握しておくことで、無駄な費用をかけずにコストを抑えられます。

特に現況測量と境界確定測量では費用が大きく変わりますし、登記申請の依頼有無によっても費用を節約できますので、あらかじめ全体像を把握した上で調査依頼をしましょう。