住宅を売るのには時間も手間もかかるもの。
特に差し迫って売らなくてはいけない事情がないときは良いですが、買い替え先の資金にしたい、転勤などで売らなくてはいけない時期が決まっているなどの事情がある場合は、できるだけ早く売りたいものでしょう。
また長期間売れないように物件は、価格を下げざるを得ず、希望通りの価格で売るのはなかなか難しいものです。
そこでそんなときに有効な手段であるオープンハウスという売り方について、ここでは紹介していきます。
オープンハウスとは?:要は「内覧会」
オープンハウスとは戸建やマンションを完全に開放し、自由に内覧ができる状態にすることです。
不動産会社から提案を受けて実施する場合が多く、不動産会社の担当の方が物件に待機して訪問して来たお客さんを案内してくれます。居住中の家の場合は綺麗に掃除をして丸一日など家を解放し、売却する家から退去(引っ越し)をしている場合はショールームのように家具を配置して家を魅力的に見せるといったことが行われることもあります。
戸建の場合はオープンハウス、マンションの場合はオープンルームと呼ぶのが一般的です。
自由に内覧できる環境を設けることで、多くの潜在的な顧客に住宅をアピールする効果がある手法として用いられています。
オープンハウスでは不動産会社の人にも協力してもらい、周囲への告知や当日の物件案内などを努めてもらいます。
オープンハウスのメリット
オープンハウスを実施するメリットには以下のものがあります。
- 多くの潜在的な顧客に、物件を知ってもらえる
- 現場で競合することで、成約率が高まる
- 早く、希望価格で売れる可能性が高くなる
オープンハウスは事前予約などが不要な状態で行う内覧会です。近所に住む人たちに、立て看板や貼り紙で告知を行います。
家を買っての引っ越しを検討している人は、今の住環境を大幅に変えずに近場で買える新居を探している人もかなり多いものです。そういった人に気軽に内覧ができるオープンハウスを行うことで、隠れた需要を喚起し、購入につなげていく効果があります。不動産情報サイト以外から、購買意欲のある顧客を呼び込むのに有効です。
また現場では、購買意欲のあるお客さんが複数同時に内覧をすることも珍しくありません。その場合ちょっといいなと思った家を、目の前で「この家はいくらですか?」「ローンは組めますか?」など実際に買おうとしている人がいると、人間の心理として売れてしまう前に早く購入の意志を見せなければと思ってしまうものです。
そのような現場でのバッティングが、家の購入の早期かと、値下げをせず希望価格通りでの売却を生み出してくれるのです。
そしてオープンハウスを実施して告知しているのに、全く人が集まらないときは、そもそもの価格設定が相場と乖離しているということがわかり、価格付けの再検討をすることができます。
オープンハウスをするときの準備:1にも2にもまず掃除!
オープンハウスは家を売るときの非常に有効な手段ですがいくつか準備をする必要があります。
まず家の中はきちんと掃除をして、住みたくなるような部屋づくりをしておきましょう。モデルルームまでとは行きませんが、水回りなど汚れが目立ちやすい場所は、念入りに掃除をし、不快感を持たれないようにします。特に女性はそういった場所を非常に細かく見るので、ハウスクリーニングなどを入れても良いでしょう。
そして日時の設定も重要です。近場の人に来てもらうことが目的なので、付近で大きなお祭りなどがない日を選びましょう。
天候も客足に大きく影響します。天気を完全に予測するのは難しいですが、悪天候の日は極力避け、10日前ぐらいから予報を見て日時を決めるようにしましょう。
オープンハウスの注意点:同マンションの住人には事前にご挨拶を
オープンハウスを行うには、不動産会社の協力が必須です。
オープンハウス前には広告やチラシ、看板やポスターで、周辺に住む人に実施を知って貰う必要があります。またそういった広告の作成や費用は不動産会社が負担することが一般的です。不動産会社としても手間も費用もかかるので、必ずしも全ても不動産会社が協力的とは限りません。
またオープンハウスには当然冷やかしのお客さんも来るので、近所の人に家の中を見られる可能性もあります。売ってしまうと決めていればそれほど気にならないかもしれませんが、探られたくもない腹を探られる可能性があることは意識しておきましょう。
マンションの場合はマンションの建物の中に不特定多数の人が入ることを、嫌う人もいます。周囲に迷惑をかけないように、前もってオープンルームをすることを伝えて、菓子折りなどを持って迷惑をかけて申し訳ない、といっておけばトラブルを防げます。
最悪なのは、オープンルーム中に、隣人などに駆け込まれて苦情を言われることです。
そうなると「こんなクレームをつける人が住んでいるマンションには住みたくない」と思われ、せっかくのオープンルームも無意味に終わってしまいます。
まとめ
オープンルームやオープンハウスはうまく利用すれば、家を速く売ることに非常に役立ってくれます。
ただしそのためには信頼できる不動産会社の協力を得なければいけません。多くの不動産会社に話を聞き、一生の中でも最も大きな売買を任せるのにふさわしい営業マンを見つけましょう。