不動産会社とやり取りすると「レインズに登録したいので間取り図があれば共有ください」「契約を締結しましたので物件情報をレインズに登録しました」という連絡がきます。
ではレインズとは何でしょうか?
この記事ではレインズの特徴や利用メリット、使い方を解説します。
レインズの使い方を知っていると、不動産会社の営業マンに「お、詳しいな!(サボれないな)」と思わせて、良い意味でのプレッシャーをかけることができます。より良い条件で不動産を売るために、レインズの使い方をマスターしましょう!
不動産流通機構レインズとは何か?
自宅の売却を不動産会社へ依頼すると、自宅の物件情報は不動産流通機構(通称レインズ)に登録されることになります。
不動産業界の人を除き、「不動産流通機構」や「レインズ(REINS)」という言葉を初めて耳にする方が大半だと思います。
レインズとは、ざっくり説明すると、不動産会社のみが閲覧できるプロ向けの不動産サイトのことです。国土交通省と不動産流通近代化センターが共同で開発しました。
レインズは、全国約14万6,921会員(※2024年末時点)の不動産会社が加入しています。レインズに登録すると、直接やりとりしている不動産会社だけでなく、全国の不動産会社に売却物件の情報を知らせることができます。物件情報を閲覧できる不動産会社が増えれば、内覧希望者が増え、より良い条件での売却が叶う可能性が高まります。
逆に買いたい人にとっては、自分が見つけた不動産会社が直接扱っていない物件情報も紹介してもらえるので、選択肢の幅が広がるというメリットがあります。
今回は、自宅の売却活動で必ずお世話になるレインズを取り上げ、設立の経緯から、概要や機能などを細かく解説していきたいと思います。
レインズの3つの活用方法
活用方法1.間取り図を公開する
間取り図(物件資料)は、1物件につき1点を登録できます。なお、写真などの画像は別途10枚まで登録できます。
ファイル形式はPDF、JPEG、GIF、TIFFと指定があります。そしてファイルサイズは2MBまでと上限が決まっていますが、サイズが大きい時は自動的に縮小されます。
登録・公開手順は次の3ステップです。
- 「物件図面ファイル選択」をクリック
- 登録したいファイルを選択して「開く」をクリック
- 登録する
注意点としては、上書きはできますが、削除できないことです。 どうしても削除したい場合は、物件登録を最初からやり直します。
活用方法2.取引状況を確認する
専任媒介または専属専任媒介を依頼した場合、レインズ上で売り主専用画面から取引状況を確認することができます。
不動産会社からレインズ登録完了連絡時に受領する登録証明書に記載されているIDとパスワードを使って、「売却依頼主物件確認」画面にログインし、登録内容を確認します。
参照:http://www.reins.or.jp/pdf/information/status_function_higashi_20170601.pdf
売却を依頼した直後であれば、取引状況は「公開中」となっていることを必ず確認してください。
画面イメージは以下の通りです。
参照:http://www.reins.or.jp/pdf/information/status_function_higashi_20170601.pdf
もし売り出し価格を変更する場合、変更証明書を発行してもらうことができます。不動産ポータルサイトと同じ金額に変更されているか、必ず確認しましょう。
また、レインズは92日間と掲載期間が決まっています。もしレインズ登録から3ヶ月経っても継続して買い手を募集したい場合は、レインズ掲載期間の延長手続きが必要です。そのため、売却活動期間中は、時々ログインしてアクセスできるか、取引状況欄や価格が間違いないか確認しましょう。
活用方法3.成約価格を検索する
REINS Market Informationで物件種別(マンションか戸建て)と都道府県、地域を選択すると、取引情報一覧が表示されます。
下図は埼玉県東部で検索した時の取引情報一覧です。
見出しの項目名(青字部分)をクリックすると並べ替えもできます。
また、追加の条件で絞り込んだり、直近1年の取引状況をグラフで確認することもできます。
レインズ設立の経緯と目的
はじめにレインズの設立の経緯と目的についてお話します。
設立の経緯:宅地建物取引業法の改正
レインズの誕生は、昭和63年の宅地建物取引業法の改正がきっかけです。
実はレインズが生まれる前からレインズらしきものは既に存在しており、昭和50年頃から不動産業界団体や個別企業ごとに独自に不動産流通機構が設立され始め、色々な活動が行われていました。
しかし、上記の法改正のタイミングで将来に向けた不動産流通の更なる活性化を図るため、当時の建設省(現在は国土交通省)が指定した既存の37の不動産流通機構を統一する形で、現在のレインズが設立されたのです。
レインズは、「不動産流通機構」の他に「指定流通機構」と呼ばれることもありますが、これは当時の建設省が「指定した37の不動産流通機構」の略した言葉なのです。
基本的に「レインズ」も「不動産流通機構」も「指定流通機構」も今では全て同じものです。
ややこしいので、ここではレインズに統一して説明していきます。
レインズの目的:不動産流通(取引)の活性化・公正化
レインズ設立の根本的な目的は、次の3つです。
- 不動産情報の流通の活性化・公正化
- 取引事例の蓄積
- 成約情報に基づく市況の分析情報を公開し、不動産市場の透明性を向上
最初に設計された1986年当時は、「囲い込み」という不動産会社の手法が問題になっていました。
囲い込みについて簡単に解説すると、そもそも不動産会社の売上は仲介手数料です。少しでも儲けるために、自社の顧客の売りたい人・買いたい人だけでマッチングさせて、1つの物件で2倍の仲介手数料を手に入れようと企む会社が多かったのです。
売りたい人にとっては、買いたい人の選択肢が狭く、大幅に値下げをするか、いつまでも待ち続けるしかありませんでした。
買いたい人にとっては、不動産会社間で物件情報が共有されていないと、たくさんの不動産会社を回る時間と手間をかけないと、条件に合う物件を見つけることすらできませんでした。
詳細は次の記事をご覧ください。
このような状況を改善するために、1988年の改正宅地建物取引業法でレインズを創設しました。その結果、適正価格・適正条件の範囲で取引できる土壌はできました。物件情報は全国で共有され、売却する機会はぐっと広がりました。
また、取引事例を蓄積し、成約情報から市場の分析情報が公開されたことで、相場という概念ができました。現在では、不動産を売りたい人・買いたい人は事前に相場感を把握できるので、不動産会社の話を鵜呑みにすることがなくなり、不動産会社と一般の人の情報格差が解消しつつあります。
加えて、不動産会社はレインズを活用して取引事例から査定を行ったり、価格決定の根拠の一つとして活用しています。
不動産の売却依頼を受けてから、なるべく早期に買い手を見つける為には不動産会社1社のみの情報力では限界があります。
レインズが存在することで、全国14万の不動産会社が売却物件の情報をレインズ上で共有することができ、売却物件の情報を見た全国の他の不動産会社が買主を探してきてくれるのです。
実際に不動産仲介会社の職場でもレインズは大変重宝されており、営業社員は日夜どのような売り物件が市場に出ているか目を光らせてチェックしています。
「毎朝、会社に出社してパソコン開いたら、先ずはレインズの新着売出し物件をチェックする」というようなルーティン業務となるくらいレインズは不動産仲介会社にとっては必須アイテムなのです。
ワンポイント解説<全国にある4つのレインズ>
現在、レインズは国土交通大臣の指定により全国に4つ存在しています。
不動産会社が所在する地域によって加盟するレインズが違いますが、レインズ自体の概要や機能の違いは特にありません。
① 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、山梨県、長野県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
② 中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、福井県、静岡県
③ 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
④ 西日本不動産流通機構(西日本レインズ)
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
レインズ会員資格の条件
不動産会社がレインズを利用するには下記の条件を満たしたレインズ会員になる必要があります。
レインズ会員になるための4つの条件
① 宅地建物取引業を営む者であること
② 宅地建物取引業協会(宅建協会)、全日本不動産協会(全日)、不動産流通経営協会(FRK)、全国住宅産業協会(全住協)のいずれかに加盟していること
③ レインズの運営等に関する経費を負担すること
④ 不動産流通標準情報システム(=レインズ)に対応した端末を事務所に備えていること
以上、上記4つの条件が課されていますが、会社の規模に関係なく、ほぼすべての不動産会社がこれらの条件に該当しています。
ですので、自宅の売却を依頼した不動産会社が、例えば町の不動産屋のような小規模であったとしても、レインズは利用できると思って頂いて問題ありません。
レインズの6つの機能
レインズには大きく分けて6つの機能が備わっています。
① 物件情報の登録・変更・削除・成約の登録
レインズに登録できる物件情報は次のようなものがあります。
1) 媒介を受けた(=依頼を受けた)売却物件、賃貸物件
2) 販売代理物件
3) 自社所有の売却物件、賃貸物件
4) 成約済みの取引情報
登録した売却物件の売出し価格の変更等があった場合は「変更登録」を、登録した物件が成約した場合は成約価格と成約日の「成約登録」を、売り止めや他の不動産会社で成約となった場合は「削除登録」をそれぞれ行います。
② 日報(物件リスト)の配信・出力
レインズでは、新たに登録された物件や既存の登録物件で価格などの条件が変更になった物件を掲載した「物件リスト」が配信されています。
不動産業界では、この物件リストを日報と呼んでいます。
日報は、地域や物件種別(土地、マンションなど)を事前に選択していれば、毎日夜中に自動的に不動産会社へFAXされるように設定ができます。
この日報は、どのような新規物件が出たのか分かりやすいようにリスト化されているので、不動産会社の営業社員もよく目を通しています。
③ 登録物件の検索
全国各地の売り物件や貸し物件をレインズで検索することができます。物件情報をかなり細かい条件まで指定して検索できるので、買主の希望に合った物件を探すことができます。
実際の検索結果イメージ図をご覧ください。少し古い資料から引用しましたが、左図が東日本、右図が近畿です。
参照:http://www.reins.or.jp/pdf/information/status_function_higashi_20170601.pdf
参照:http://www.member.kinkireins.or.jp/IP_system/manual/pdf/sec4_1.pdf
また、物件概要は文字による情報だけでなく、「販売図面」を取得することも可能です。
よく町の不動産屋の入り口あたりに紙の物件情報が貼られていますが、あれが「販売図面」になります。
また、不動産会社へ訪問した時に貰える物件資料なども基本的にはレインズに登録されている「販売図面」になります。
④ 成約物件の検索
レインズに登録された物件は、その物件を登録した不動産会社から成約報告があると、成約物件としてデータがレインズ上に保存されることになります。
成約物件の情報は、過去の取引事例として検索することが可能であり、新たな不動産を査定する材料として活用されています。
ちなみに、レインズで見ることができる成約済みの取引事例は、一般向けにも情報公開されており、国土交通省が管理している「不動産情報ライブラリ」(注:土地総合情報システムは、2024年3月末で廃止)というサイトで確認することができます。
レインズのように詳細な取引内容までは公開されていませんが、誰でも無料で閲覧することができるので、興味がありましたら一度サイトを覗いてみてください。
詳しくは、「誰にも知られず自宅の相場価格を調べる究極の方法【土地・戸建・マンション別】」を参考にしてください。
⑤ 登録済証の発行
不動産会社は、売却の依頼を受けた物件をレインズに登録したら、その登録を証明する「登録済証」を依頼者へ交付しなければなりません。
これは宅地建物取引業法による不動産会社の義務ですので、必ず登録済証を依頼者へ渡さなければなりません。
ちなみにですが、不動産会社は依頼を受けた全ての物件をレインズに登録する必要はなく、媒介契約の中の「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の2つがレインズの登録義務となっています。
つまり、残りの一般媒介契約はレインズに登録する義務が不動産会社には無いのです。
もし、一般媒介契約で不動産の売却を依頼する場合は、依頼時にレインズに登録するように希望を伝えておきましょう。
レインズへの登録は基本無料ですので、特殊な事情が無い限り、登録を拒む不動産会社はいません。
なお、賃貸物件に関しては、専任媒介、一般媒介を問わず、レインズへの登録は義務化されていません。
⑥ 各種統計データの提供
レインズでは、登録物件や成約物件に関する膨大なデータが蓄積されています。
そのデータをもとに不動産取引に関する各種統計を発表しており、登録物件数の推移や成約価格の前年対比など、日々の売却活動に役立つ情報を発信しています。
レインズに関する不動産会社の義務
売却依頼を受けた不動産会社は、レインズに関する次の業務が義務付けられています。
<媒介依頼物件のレインズへの登録義務>
不動産会社は、専属専任媒介契約の物件は媒介契約を締結した日から5営業日以内、専任媒介契約の物件は媒介契約を締結した日から7営業日以内にそれぞれレインズへ登録する義務を負います。
加えて、いずれも媒介契約を締結した日から7営業日以内に物件概要が記載されている「販売図面」を作成して登録しなければならない決まりとなっています。
ただし、一般媒介契約の場合でも、レインズに登録してくれる不動産会社が増えています。なぜなら、近年はSUUMOやHOME’Sに掲載する場合が増えており、レインズに掲載しない理由がなくなってきたからです。
一般媒介契約を結んだ場合でも、レインズに登録してもらえないか相談してみるといいでしょう。売却にかかる期間を短縮できたり、より高く買ってくれる人と巡り合う可能性が上がります。
不動産会社に依頼するための媒介契約の3つの種類については、次の記事をご覧ください。
<売主へ登録済証を交付する義務>
不動産会社は、売却依頼を受けた物件をレインズに登録した場合、レインズから発行される登録済証(レインズ登録を証明する書面です)を売主へ交付しなければなりません。
交付するまでの具体的な期日は定められていませんが、上記のレインズへの登録義務期日を目安として考えておきましょう。
<売主へ売却活動の報告をする義務>
不動産会社は依頼者に対して、専属専任媒介契約は1週間に1回以上、専任媒介契約は2週間に1回以上の頻度で売却活動の進捗報告をしなければなりません。
報告する内容としては、物件に対する反響数(ネット反響・電話反響)や新聞折り込み、ポスティングなどの実施した活動などです。
不動産会社からの活動報告はメールや書面がほとんどですが、売主の希望があれば直接担当者と面会して報告を受けることも可能です。
ワンポイント解説<一般媒介契約物件や賃貸物件はレインズに登録してもらえるのか?>
既に紹介した通り、一般媒介契約の物件や賃貸物件の場合、不動産会社はレインズに物件情報を登録する義務はありません。
でも大丈夫です。不動産会社へお願いすれば、無料でレインズに登録してもらえます。
実際にレインズを見てみると、売買物件であれば一般媒介契約で依頼を受けている売却物件の情報がたくさん掲載されています。
逆に不動産会社が「一般媒介契約なのでレインズには登録しません」、「賃貸物件だからレインズに掲載する必要はない」などと言ってきたら、依頼自体を考え直した方がよいでしょう。
そのような不動産会社は往々にして、「物件の囲い込み」という依頼者の利益に反した行為をしている可能性があります。
レインズに登録するかしないかで、売却するまでのスピードはかなりの差が出てきます。
売却活動を成功させる為にレインズ登録は必須です。
一般媒介契約や賃貸物件であっても遠慮なくレインズに物件を掲載するよう不動産会社へお願いしましょう。
不動産情報ライブラリ・不動産ポータルサイト・不動産ジャパン・BBサービスとの違い
レインズ以外にも、物件情報や取引事例を検索できるサービスはいくつかあります。代表的な6つについて紹介します。
- 国土交通省の不動産情報ライブラリ
- 不動産流通機構のREINS
- 不動産流通機構のREINS Market Information
- 不動産流通推進センターの不動産ジャパン
- 民間の業者間物件流通サービス(通称:BBサービス)
- 民間の不動産ポータル
それぞれについて説明します。
1.国土交通省の不動産情報ライブラリの特徴
不動産情報ライブラリ(旧・土地総合情報システム)は、国土交通省が運営し、全ての人に公開されているサイトです。
不動産の取引価格以外にも、レインズには無い地価公示等の価格情報や防災情報、都市計画情報、周辺施設情報等、不動産に関する様々な情報を閲覧できます。
レインズは取扱物件種別が戸建てとマンションだけですが、不動産情報ライブラリは土地、戸建て、マンションを扱っています。
レインズは2023年末時点で賃貸・売買物件を合わせて91万1,170件の情報が掲載されています。一方、不動産情報ライブラリは2024年3月末時点で517万3,285件もの取引価格情報を提供しているので、地方でも情報数が豊富です。
2.不動産流通機構のREINSの特徴
不動産会社(宅地建物取引業者)専門の物件検索システムのため、一般の人は利用できません。
一般の人の内、売り手は取引状況の確認のために、売主サイトの閲覧が可能です。
不動産取引の公正性確保と、売り手・買い手の保護が目的です。
取引の仲介依頼を受けた不動産会社は、売却物件や賃貸物件の物件情報をレインズに登録すると、全国の不動産業者(宅地建物取引業者)も、閲覧できるようになります。
仲介を依頼した売り手の安心・安全を確保するとともに、レインズを通じた取引相手(買い手の仲介を担当する不動産会社)が円滑に情報に辿り着けるようにして、取引を公正にする仕組みを提供しています。
3.不動産流通機構のREINS Market Informationの特徴
REINSと異なり、REINS Market Informationは売り手以外の一般の人も利用できます。
しかし個人情報の関係で、過去の取引事例などのREINSの一部を一般向けに公開しています。
4.不動産流通推進センターの不動産ジャパンの特徴
不動産ジャパンとは、公益財団法人不動産流通推進センターが運営している総合不動産情報サイトです。物件情報や不動産会社の検索、住まい探し・住み替えに関する情報収集ができます。
国内の大半の不動産会社が加盟する4つの不動産流通団体(※1)の情報を集約して検索サービスを提供しているので、レインズのように物件情報を調べることができます。つまり、これまではレインズで不動産業者しか検索できなかった物件の情報を、不動産ジャパンを使えば一般の人も検索することができます。
また、レインズは取扱物件種別が戸建てとマンションだけですが、不動産ジャパンは土地、戸建て、マンション、分譲マンション、事業用物件など幅広い物件を扱っています。
※1:4つの不動産流通団体とは、公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会、一般社団法人 不動産流通経営協会、公益社団法人 全日本不動産協会、一般社団法人 全国住宅産業協会のこと
5.民間の業者間物件流通サービス(通称:BBサービス)の特徴
BBとは、BtoBの物件情報流通を提供するシステムのことです。基本的に運営会社と契約している不動産会社の人しか利用できません。
レインズは一般の売り手・買い手を守るためのサービスですが、業者間物件流通サービスは不動産会社の物件確認業務の効率化に重きを置いています。
業者間物件流通サービスは民間企業が運営していて、国内に複数のサービスがあります。(例えばアットホームが運営するATBBなど)一方、レインズは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているので公的サービスと言えます。
近年はレインズとBBサービスの連携も進めています。
6.民間の不動産ポータルサイトの特徴
民間企業が運営していて、国内に複数のサービスがあります。(例えばリクルートが運営するSUUMOなど)レインズと違い、誰でも閲覧が可能です。
不動産ポータルサイトに掲載されている価格は売主の売却希望額なので値下げする余地がありますが、レインズに掲載されている価格は成約時の価格です。
物件が売れた時点で速やかに年月日や成約価格を登録する義務があるので、レインズの方が、情報の信頼度が高く更新も早いという特徴があります。
レインズより簡単に速く適正価格を知る方法:HowMaコラボ査定をお勧めする理由
これまで説明したように、レインズは不動産売却に欠かせないシステムですが、一般の人は直接利用できません。また、レインズで売却したい物件と似た条件の物件が見つかるとは限らないのが現実です。
そこで、適正な売り出し価格を知るためには、最新の地域情報を知っている不動産会社に依頼し、査定と説明をお願いする必要があります。
しかし不動産会社を一件ずつ訪問したり直接問い合わせるよりも、HowMaを使ったほうが効果的だと筆者は考えます。理由は次の4つです。
- 1億件を超える不動産の取引データを扱えるというHowMaの価格推定の強みと、物件の良し悪しの肌感覚や経験を査定に反映できるという不動産会社の強みを組み合わせて算出された査定金額を参考に、売却金額や戦略を決められる
- 提携している不動産会社は地域密着型や、売却実績が多い実力派の会社が多く、地域事情に精通したプロの視点で総合的に評価した査定価格を知れる
- コラボ査定で査定依頼する不動産会社は、物件がある地域に詳しい提携会社が表示され、その中から最大6社まで選べる
- 業界大手の不動産仲介会社出身の宅建士がチャットで、不動産売却や活用方法について第三者の立場から無料サポートをしてくれる
HowMaのコラボ査定をおすすめできない2つのケース
HowMaは成長中のサービスのため、次のような方には向いていません。
- 収益物件(投資用一棟アパートや商業ビルなど)や農地、リースバックの査定をしたい人
- 弁護士や税理士への相談も一箇所で行いたい人
レインズの活用方法を理解することが不動産を賢く売る第一歩
レインズは不動産売却に欠かせないシステムです。不動産会社専用のため、一部の機能だけしか一般の人は使えないです。
しかし、売却活動中の不動産会社とのやり取りでは必ず「レインズ」という言葉は出てきます。そしてレインズの使い方を知っていると、不動産会社の営業マンに「お、詳しいな!(サボれないな)」と思わせて、良い意味でのプレッシャーをかけることができます。
レインズについて全てを理解する必要はありません。
今回取り上げたようなレインズが存在する意味や機能などをざっくりと理解するだけで大丈夫です。
不動産会社と一緒に積極的にレインズを活用して売却活動を成功させましょう!