固定資産税評価額とは?記入が必要な書類や路線価等との違い【2024年最新版】

固定資産税評価額とは公的な手続きで用いられる不動産価格

固定資産税評価額とは不動産売買や相続・贈与の際に、不動産の登記や納税などの公的な手続きで用いられる不動産価格です。3年に1度評価替えが行われ、2024年は固定資産税評価額の評価替えの年です。

不動産ポータルサイトやチラシなどで普段目にする不動産の市場価格は、取引参加者が自由に決められます。一方で固定資産税評価額はより客観性が求められる価格であり、民間ではなく市町村(東京23区の場合は東京都)によって決定されます。

本記事では固定資産税評価額について、調べ方や計算方法、公示地価や路線価との違いについて詳しく解説します。

1月1日時点で不動産を登記している人に課せられる税金の基準

固定資産税評価額とは、1月1日時点で不動産の所有者として登記されている人に課される固定資産税の基準となる指標です。市街化区域内の不動産に対して課せられる都市計画税、不動産取得時に発生する不動産所得税、登記時の登録免許税の基準ともなります。

なお、相続登記の申請義務化(2024年4月1日施行の所有者不明土地の解消に向けた民法・不動産登記法改正法、相続土地国庫帰属法)以前は不動産の相続時に登記を行う義務がありませんでした。これまでは罰則などが課せられなかったため、実際の所有者と登記簿上の所有者が異なる可能性があります。

もし法改正以前に所有している相続登記・住所等の変更登記が済んでいない不動産がある場合も、相続登記の義務化の対象です。専門家のサポートを受けて、改正法の施行日(2024年4月1日)又は不動産の所有権を相続を知った日のいずれか遅い日から3年以内に対応する必要があります。

正確な額は自治体により異なる

固定資産税評価額は自治体が決定します。東京都23区は区ごと、それ以外は政令指定都市も含めて市町村ごとに決まります。ただし、総務大臣が定めた固定資産税評価基準に従う義務が地方税法で規定されており、自治体の独断で決まるわけではありません。

不動産購入時の市場価格は固定資産税評価額とは異なりますが、一定の目安になります。新築の建物は工事金額の50%程度、土地ならば時価の70%程度が固定資産税評価額の相場です。

固定資産税評価額を調べる3つの方法

固定資産税評価額を調べる方法は3つあります。

  1. 課税明細書を確認する
  2. 固定資産課税台帳を閲覧する
  3. 固定資産評価証明書を入手する

課税明細書

不動産所有者には毎年4月頃に固定資産税・都市計画税の納付通知書が送付されます。添付された課税証明書の「課税地積又は課税床面積」という項目の「価格」欄に固定資産税評価額が記載されます。

固定資産課税台帳

固定資産税台帳とは、固定資産税の課税対象となる土地や家の所有者、所在、価格などが記載された帳簿のことです。市区町村役場・23区の都税事務所の税務課窓口などで閲覧できます。

市区町村によっては、固定資産課税台帳を名寄帳(なよせちょう)と兼ねている場合もあります。名寄帳は、固定資産課税台帳を所有者別にまとめた一覧表です。

固定資産評価証明書

固定資産課税台帳に登録されている内容を証明する書類「固定資産評価証明書」で確認することもできます。不動産が所在する市区町村役場・23区の都税事務所の窓口、もしくは郵送で固定資産評価証明書を取得が可能です。

不動産売買や相続・贈与の際は固定資産評価証明書の提出が必要になることがほとんどです。所有者本人または家族・借地借家人などが取得できます。

これから購入する物件の固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは不動産所有者が納税義務を果たすための不動産価格ですから、これから購入予定の不動産の固定資産税評価額はわかりません。

ただし、おおまかな固定資産税評価額ならば、現在の所有者に教えてもらえます。正確な固定資産税評価額とは異なるものの、不動産会社から新築の建売住宅やマンションを購入する場合は、購入検討中に目安がわかります。

中古物件なら既に固定資産税評価額が通知されているため、現在の所有者か仲介する不動産会社に問い合わせれば正確な金額がわかります。

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固定資産税評価額とは公示地価や路線価とどう違うのか

固定資産税評価額とは登記や固定資産税の算出の際に用いられる指標ですが、公的な土地の価格には4つあります。

  • 公示価格
  • 基準地価
  • 固定資産税評価額
  • 相続税評価額(一般的な路面価)

いずれも国や自治体が公表する公的な土地の価格ですが、それぞれ用いられる目的が違います。

また、実際に取引される不動産の価格は公示地価や固定資産税評価額とは一致しないことが多いですが、まったく無関係であるとも言えません。不動産取引の際には参考にすべきなのはどの評価額なのか、それぞれの評価額はどういった際に使われるのかを解説します。

公示地価・基準地価・固定資産税評価額・相続税評価額の違いは、調査を行う主体と評価時期、標準地です。 

  • 調査を行う主体
    • 公示地価:国土交通省
    • 基準地価:都道府県
    • 固定資産税評価額:市区町村
    • 相続税路線価:国税庁
  • 評価時期
    • 公示地価:毎年1月1日
    • 基準地価:毎年7月1日
    • 固定資産税評価額:基準年1月1日(3年に1度改定)
    • 相続税路線価:毎年1月1日
  • 公表時期
    • 公示地価:毎年3月下旬
    • 基準地価:毎年9月下旬
    • 固定資産税評価額:基準年の4月頃
    • 相続税路線価:毎年9月1日
  • 調査対象
    • 公示地価:標準地1平方メートルあたりの価格
    • 基準地価:基準地1平方メートルあたりの価格
    • 相続税路線価:道路に面する標準的な宅地1平方メートルあたりの価格

公示地価は国土交通省の委員会が鑑定する

公示地価は国土交通省が定める土地1平方メートルあたりの価格で、自治体が決める固定資産税評価額とは性質が違います。

国交省の土地鑑定委員会が管轄し 、1969年施行の地価公示法が根拠法です。委員会が「標準地」という代表的な土地を定め、不動産鑑定士が公示地価を評価します。評価が行われるのは毎年1月1日で、3月下旬に発表されます。標準地は大都市が多く、建物があっても更地だと仮定して価格が評価されます。

公示地価を発表する目的は、民間の不動産取引に客観的な指標を与えると同時に、公共事業で用地買収する際に適正な補償額を算出することです。

都道府県による基準地価は幅広い土地が対象

基準地価は公示地価と同じく不動産取引や公共事業の際の指標です。

公示地価で発表されない地点は基準地価を参考にしたり、両方に含まれる地点は1月と7月の二度参照にしたりする使い方がされます。

基準地価は基準値と呼ばれる場所を毎年7月1日に調査し、9月下旬頃に公表されます。標準地が大都市に偏りがちな公示地価との違いは、基準地価は各都道府県が調査する性質上、地方にもまんべんなく基準値が存在することです。

固定資産税評価額とは路線価に近いもの

固定資産税評価額とは厳密には違うものの、最も性質が近いのが路線価です。路線とは道路を意味し、道路ごとに面する土地の価格が決められるため、路線価と呼ばれます。

路線価とは通常、国税庁が発表する相続税路線価を指しますが、市町村が算出する固定資産税路線価も広義の路線価です。評価の頻度は、相続税路線価が毎年評価し直される一方、固定資産税路線価は3年に一度評価されます。

固定資産税評価額とは文字通り固定資産税の算出に使われる指標ですが、対する相続税路線価は主に土地の相続・贈与の際に発生する税金の計算に用いられます。

なお、相続税路線価は公示地価の約80%の金額です。

どの評価額を参考にすればよい?

ここまで見てきたように、不動産の評価額には2種類あります。

路線価および固定資産税評価額とは、固定資産税、相続税、贈与税といった税金の算出に用いられる指標です。

固定資産税評価額は建物も対象とされます。一方で公示地価と基準地価は、公正な土地取引を行う指標の意味合いが強いものです。よって、公示地価と基準地価は不動産売買を行う時に参考にするべき指標と言えます。

人気が高いエリアや災害が発生したエリアでは、土地の販売価格が高すぎたり、反対に売却価格が安すぎたりすることが起こりえます。

公示地価と基準地価を参照することで、より客観的な土地取引が可能です。

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固定資産評価額が用いられる3つの場面

固定資産税評価額は一般的によく知られている固定資産税・都市計画税の計算以外で、以下の計算時にも利用されます。

  1. 不動産を登記する際の登録免許税
  2. 不動産の相続税・贈与税
  3. 土地に関する裁判の手数料(借地非訟事件の申立手数料)

1. 不動産を登記する際の登録免許税

不動産を登記する時は登録免許税が必要です。具体的な税率は不動産の種類や手続きによって異なるものの、売買の際は土地・建物ともに固定資産税評価額の2%です。

ただし、売買した住宅用建物は2022年3月31日まで0.3%の軽減税率が適用されます。さらに、相続した土地は2025年3月31日まで免税、売買した土地は2026年3月31日まで0.15%の軽減税率が適用されます。固定資産税評価額とは市区町村が管理するものですから、自治体によっては登記時の固定資産評価証明書の添付が不要です。

2. 不動産の相続税・贈与税

通常、土地に課せられる相続税・贈与税は国税庁が決める相続税路線価により算出されるため、固定資産税評価額とは無関係です。

一方で建物には路線価が適用されませんし、路線価が設定されていない土地もあります。その場合に税金の算出に使われるのがは固定資産税評価額です。相続・贈与の登記をする際は、固定資産評価証明書の添付が求められます。

3. 借地非訟事件の申立手数料

不動産登記と比較するとレアケースですが、固定資産税評価額は借地非訟事件の申立手数料の基準にもなります。

たとえば、甲土地をAさんが所有し、甲土地を借りたBさんが契約に従い乙建物を建築したとします。

両者間の土地賃貸借契約を無視してAさんが乙建物の撤去を主張した場合が借地非訴事件です。申立手数料は固定資産税評価額の約15%です。

大事な土地取引だからこそ固定資産税評価額とは何か理解しよう!

不動産価格の指標には公示地価や路線価などさまざまな種類がありますが、固定資産税評価額とはどのような用途に使うかを理解することで、登記が必要な不動産取引を行う際に慌てず対処できます。

また、不動産を所有すれば毎年納税義務が生じるため、固定資産税評価額とは無縁でいられません。固定資産税評価額は役所からの通知や窓口で簡単に調べられるものですから、土地・建物の取引をする前に一度確認することをおすすめします。

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