不動産を売りたい!
家を売りたいと決めたとき、自分の家はいくらで売ればいいんだろう、いくらだったら売れるんだろうと考えるところから始まりますね。
身の回りの日用品のように、スーパーで売っているわけではありませんから、一体いくらくらいに設定すればいいのかすぐには想像できないですね。
ここでは不動産の売出し価格の決め方について見ていきましょう。
まずは希望価格を決めてみよう
自分の家を売るのですから、まずは自分の希望価格を決めましょう。
売上額を将来どのような資金として使いたいのかを考えてみてください。ここで判断材料となるのは、ローンがいくら残っているかという点です。
売上額でローンを完済できる金額を目指してみましょう。あるいは、新居のための頭金に使いたいという目標設定もよいでしょう。
そしてもう一つ、それ以上低いと後の生活が成り立たなくなってしまうという、譲れない最低価格も一緒に考えておきましょう。
いつまでに売りたい?スケジュールを考えてみよう
不動産は、今日売りたいと思っても、すぐに販売できるというものでもありません。
実際に不動産会社で売却開始した後は、3~6か月かかかって売れることが一般的です。また、不動産販売・取得にはさまざまな手続きと届け出が必要です。
引っ越しや新居の購入が決まっている場合は、売却までの期限が決まっていますので、できるだけきちんとスケジュールを立てることも大切です。
引っ越しのシーズンに売り出すと早く売れることが多いため、不動産会社と契約する際には参考にしてみましょう。
市場価格と比べてみよう
希望価格が決まりました。
次に、その金額が市場に比べて高すぎないか、あるいは安すぎないかを確認してみる必要があります。
市場価格とかけ離れた高すぎる価格を設定してしまっては、なかなか売却にはつながらないからです。
また、市場より安い価格で売ってしまうと、自分が損をしてしまいますので、必ず比較しましょう。市場価格はどうすればわかるのでしょう?
さあ、査定してもらおう!
次に、市場価格を把握するため、不動産会社で査定をしてもらいましょう。不動産会社には、さまざまな情報が集まっています。
周囲の不動産の価格はもとより、家の築年数や間取りなどの家の特徴や地域による販売価格の傾向、国土交通省が決める路線価などを元に、契約期間である3か月間のうちに、あなたの家の売却できそうな価格を算出してくれます。
専門家である不動産会社へ査定を依頼すると、希望価格を実際の売出し価格へ調整する次のステップへ進めます。
査定は複数の不動産会社へ
査定を依頼するといっても、1件の不動産会社だけでは十分ではありません。
なぜなら、査定価格はその不動産会社が売れるであろうと判断する予想価格なので、そこには必ずしも正解があるわけではないからです。
そのため、査定は複数の不動産会社へ依頼する方が良いです。
しかし、高く査定してくれるからといって、すぐにその不動産会社へ依頼するのは待ってください。
高い査定額が出ても、最終的に高く売れるとは限らないからです。あくまでも予想価格なので今一度注意してください。高い売出し価格をつけても、結果的に何度も価格を下げたり、自分の希望価格の最低ラインに近いところまで値引きをすることになったりしては、印象もよくありませんし、自分も納得できないからです。
不動産会社がその査定額を算出した経緯と根拠を尋ねて、自分が納得し、信頼できる不動産会社、そして営業担当者と一緒に納得できる価格を見つけるようにしましょう。
どんな不動産会社がいい?
さて、不動産会社に査定を依頼したり、実際に契約をしたりするときは、どんな不動産会社を選べばいいのでしょうか。
大手がよいのか、中小規模の会社がよいのか。実はそれぞれにメリットがあります。
大手の場合は、そのネームバリューで信頼もできるでしょう。資金力があるため、あなたの不動産を広く知らせてくれますし、自社のネットワークで、買主の情報をたくさん持っていますので、あなたの希望に沿うような買手を見つけてくれる可能性が高くなります。
その一方で、買主と売主両方を抱える大手は、両者のメリットを一致させる必要があり、場合によっては売主と同じ方向を見ることが難しく、値下げを求めることも考えられます。
また、人によってはその対応に、ビジネスライクな冷たさを感じることもあるかもしれません。他方、中小の場合は、地元に密着した営業を行っていることが多く、地域の特性や特有のルールも把握しているため、スムーズに売却できる可能性が高くなります。
大手と異なり、地域の他社との競合のため、顧客を大切にする傾向があり親身に相談に乗ってくれる場合が多いでしょう。
しかし大手と比べると資金力が少ないため、あなたの不動産を広く知らせる広告力は劣るかもしれません。
複数の不動産会社に査定を依頼するときには、大手と中小いずれも混ぜて、メリット・デメリットを比較するとよいでしょう。
値引き交渉にも備えよう
不動産の売出し価格を決める際に忘れてならないのは、値引き交渉に備えるということです。日常でも値引き交渉は身近にありますね。
ましてや高額な不動産売買です、値引き交渉なしで話が進む方が珍しいでしょう。
ですから、これくらいなら値引きしてもよいという幅をあらかじめ決めて、売出し価格に含めておく必要があるのです。
不動産の適正価格とは?
適正価格とは、売手が大儲けしすぎる金額でもなく、買手が不当に安く買いたたく金額でもない、ちょうどよい価格のことですが、不動産には実は確実な適正価格は存在しません。
なぜなら、大量生産で同じものが作られる工業製品などと異なり、不動産はオンリーワンで存在するからです。場所や形、家の仕様など、ふたつと同じものはありません。
では、どうやって調べたらよいでしょうか?
ひとつには、国土交通省が発表する地価公示価格や、都道府県知事が発表する標準価格から推測する方法があります。
また、もう少し手軽な方法としては、折込チラシや住宅情報誌、不動産会社の宣伝などから、近隣の取引事例を調べてみるのもよいでしょう。
また、弊社も提供しているAI査定も選択肢の一つです。
そして不動産会社へ査定を依頼する方法です。途中で頻繁に価格を変えると、家を探す人にとっては印象がよくありません。
なるべく変えることがないよう、十分適正価格を調べて、売出し価格を決めましょう。
売出し価格と成約価格の違いって?
売出し価格は売手の希望価格、成約価格は買手との実際の取引価格です。
売手にとってベストな結果は、自分が決めた売出し価格で販売できることです。
しかし買手にとっては、少しでも安く買うことがベストですので、実際に成約に至る価格は、売出し価格よりも低くなることが多いのが実情です。
近隣の取引事例を調べる際に確認できる価格は売出し価格で、その価格で売れた結果ではありません。
成約価格は売出し価格より低いことが一般的ですが、通常は見られないため、早合点しないよう注意が必要です。
希望価格を設定する際に値引き交渉に備えるのは、売出し価格と成約価格の差額をあらかじめ見越しておくためなのです。
不動産売却を有利に進めるために売出し価格の決め方を知っておこう
あなたの不動産売却を有利に進めるためには、どうすればよいのでしょう?
あなたに売却までに時間の余裕があるのか、転勤などで時間的制限があるのかで、売出し価格は変わってきます。
もし売主のあなたに時間制限がある場合は、相場の価格程度または少し低めで設定した価格で売出すのがベストです。
高く設定してしまうと、期限が近づいていも売却できないときに、大幅に値下げをせざるを得なくなります。
そうなると、何か売れない理由があるのかと思われてしまい、最悪買い手がつかなくなることも想定されます。
逆にあなたが特に売却希望期間がないのであれば、少し高めに設定した価格で売出し、あなたの不動産を気に入って購入してくれる買主や、急いで購入する必要がある買主を待ってみてもよいでしょう。
もう一つ、売却を有利に進めるための鍵は、不動産会社とその営業担当者にあります。不動産の売却は、スーパーやデパートなどでの売買や、フリーマーケットでの販売ではありません。
売主、買主ともに人生でも頻繁に起こることがない、大きな金額の取引です。そんな大切で高額なあなたの不動産を売るお手伝いをしてくれる営業担当者は、非常に重要な存在です。
不動産売買の資格があることはもちろん、知識や営業力に加え、あなたとの相性も大切です。
親身になってあなたの相談に寄りそって、決断を後押ししてくれる、あなたと同じ方向を向いて販売を進めてくれる人を見つけられれば、安心して売却を進められるでしょう。