家やマンションの売却で、査定・内覧の前にはハウスクリーニングをしたほうが良いとも言われます。
常識的に考えても、汚れた家を見せるよりは、当然きれいな状態の家を見せたほうが印象は良くなりますが、ハウスクリーニングに力を入れても、それが価格に反映されなければ意味はありません。
そこで効率よく査定額に反映され、内覧者への印象を良くするハウスクリーニングはどうすればいいのかをお伝えします。
ハウスクリーニングで家全体を綺麗にする必要はない
まずハウスクリーニングを家全体隅々まで実施してもらう必要があるかというと、決してそんなことはありません。
素人の手では完璧に綺麗にすることができない部分や、手間がかかってしまう部分、そして内覧時によく見られる部分をプロの手で掃除してもらえばよいでしょう。
具体的にどの部分をハウスクリーニングしてもらえばよいかというと、以下のような場所です。
1.水回り:キッチン・洗面所・トイレ・浴室
・キッチン
・浴室
・洗面所
・トイレ
キッチンは油汚れや焦げ付きなど頑固で取り除きにくい汚れがたまりますし、主婦の方が毎日使う場所として、じっくりチェックが入ります。
少しでも汚れがあると主婦の方の印象は大幅に悪化することもあり、また自分で完璧にきれいに仕上げるのは大変な労力がかかります。
ハウスクリーニング業者は専門の用具や洗剤を使って、効率よく掃除を行うことができるので、ここは必ずプロに任せるようにしましょう。
2.必ず内覧者がみる場所:玄関・リビング
・玄関
・リビング
玄関やリビングなどは動かしにくい大きな家具があるので、そこもプロに任せるのが良いです。
表面的な部分の掃除は自分たちでもできるのですが、家具を動かしての大掛かりな清掃は、プロに任せないとできないところも出てきます。
ハウスクリーニングは空き家状態で行う方が安い?
ハウスクリーニングを依頼するにも相場を前もって知っておき、できるだけ安く済ませることも心がけましょう。
ハウスクリーニングの料金は、居住中に行ってもらうのと、空き家状態で行ってもらうのでは後者のほうが3割ほど安くなります。
空き家で行ってもらうのであれば、家全体を全部任せても10万円代前半で済むでしょうが、居住中の家の場合は、家具を動かしたり、こまめな養生、また住人の生活状態に配慮をしなくてはいけないので、余計に料金がかかるのです。
ピンポイントで浴室やキッチンのみ頼む場合は、2~5万円ほどで依頼をすることができますが、これも当然空き家状態で行ってもらうほうが安くなります。
内見者の印象を良くすることが、結果的に理想通りの売却につながる
ただ、ハウスクリーニングを行うと、家が高く売れるのかというと、決してそのようなわけではありません。
基本的に家の査定には築年数、立地、建物の構造などが影響するので、家の状態が良いことで価値が上乗せされるのかというと、そうとも言い切れないのです。
しかしハウスクリーニングは家の印象を、内覧者に対して非常に良くしてくれる、といった効果があります。
家の売却には相場はありますが、決まった価格があるわけではありません。
値付けは売主が不動産会社に相談をしながら売主自体が決めていくものです。
自分で査定に上乗せして、その状態で内覧をしてもらって好印象を内覧者に抱かせれば、比較検討の中で同スペックの家やマンションよりも売れやすくなるといった効果は期待できます。
また、一見スペックが良い家でも汚い状態で内覧をさせてしまえば、悪印象を抱かせてしまい、売れるものも売れなくなる確率が上がります。
その結果客寄せのために、最終的には値下げをして売るケースが多くなります。
好印象をもたせてスムーズに速く売れるようにすることは、結果的には自分の理想通りの価格で売ることにつながるのです。
ハウスクリーニングだけでいいのか?リフォームは必要ないのか?
またハウスクリーニングと一緒に壁紙やカーテンの取替え、床の張替えなどのリフォームを検討する人もいますが、これは一概に効果的とはいえません。
特に現代においては、そういった場所は自分の好みに仕上げたいという人も多いですし、リフォーム前提で購入をするので、リフォーム済みでその分を価格に反映するよりは、何もリフォームを行わずに売却価格を安くする方に反映してほしいという人もいます。
ハウスクリーニングが最も効果的なのは、築15年や20年といった、やや古くなってくるような家を「築年数の割にはすごく綺麗だ」という印象を持たせるという局面です。しっかりとやって買主の取りこぼしを防ぎましょう。