土地や建物の名義変更とは?いつ何をすればいいの?【2024年最新版】

土地や建物の名義変更って?

土地や建物の名義変更は、人生においてそう頻繁にあるものではありません。名前だけをさっと書き替えるという単純なものではなく、手続きや税金など、さまざまな決まり事があります。

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名義変更って聞いたことあるけど、何をすること?

名義変更という言葉、簡単に言えば土地や建物などの所有者が変わったときに、所有者の名前を変更することです。

しかし、不動産の所有者の名前は登記簿という法的な記録簿に管理されていますので、勝手に名前を書き替えるという行為ではすみません。変更する場合はきちんと法務局へ届け出を行い、この登記簿に記録されている名前を書き替え、その土地や建物の権利を持つ人を変更する、ということになります。

名義変更はいつするの?ケース別手続き方法

土地や建物などの不動産の所有者の記録を変更する名義変更、このタイミングにはいくつかのケースがあります。

  • 相続による場合
  • 売買による場合
  • 贈与による場合
  • 財産分与による場合

大きくはこの4つに分けられます。それぞれに少しずつ手続き方法が異なりますので、以下に詳しく見てゆきましょう。

ここからはケース別に名義変更の流れを解説していきます。

1.相続による名義変更

まずは相続による名義変更の手続きの流れや必要な書類を確認していきましょう。

1-1. いつ手続きすればいい?

土地や建物を所有する人が亡くなり、相続する場合は、その土地や建物が誰のものになったのかを明らかにしておく必要があります。これが相続登記といわれるものです。実はこの相続登記は義務ではなく、また期限も設けられてはいません。

しかし、将来その土地や建物を売ることになった際に、誰に権利があるのかとういことをきちんと記録しておかないと、不利益を被る可能性もあります。ですから、相続することが決まったらなるだけ早く手続きを行う方がよいでしょう。

1-2. 誰に頼めばいい?

とはいえ、いきなり登記簿の変更なんて、どうすればいいかわかりませんね。土地や建物の名義変更は、法務局への届け出となります。専門家に依頼すると、煩雑な手続きや書類の提出など、スムーズに漏れなく対応してもらえますよ。一般的には司法書士に依頼することになります。

1-3. 必要な書類は?

相続に伴う名義変更の際に必要な主な書類は下記のとおりです。遺言書がある相続か、法定相続であるか、更に遺言書が公正証書遺言かそうでないかで、若干必要な手続きと書類が異なります。ここでは遺言書がない法定相続の場合を確認してみましょう。

  • 登記原因証明書
  • 登記識別情報
  • 住所証明書
  • 印鑑証明書(相続人)
  • 戸籍謄本(亡くなった方のもの:亡くなった後に発行、相続人:相続開始後に取得したもの)
  • 住民票(亡くなった方の除票及び相続人の写し)
  • 除籍謄本
  • 登記簿謄本
  • 固定資産評価証明書

4. 費用はどれくらいかかるの?

手続きのための費用としては、次のようなものがあります。

  • 名義を変更する申請を法務局へ行う際に必要となる登録免許税
    (登録免許税は、手続きの内容や固定資産の評価額によって決められています。)
  • 司法書士への報酬
    (司法書士への報酬は平均的には5~7万円、他に手間がかかる場合は10万円程度になることもあります。必ず相場を確認するようにしましょう。)
  • 必要書類の取得手数料
    (必要書類の取得手数料は、それぞれ決められていますがほとんどが1件あたり1,000円までの費用です。)
  • 税金
     

登録免許税以外で、相続にかかる税金でもっとも大きなものは相続税です。これはきちんと税率が決められており、相続の場合は、固定資産評価額の0.4%です。(ただし、相続人以外の人が遺言によって取得した不動産を登記する場合の税率は2%と定められています。

また、通常はかからない不動産取得税ですが、遺言などで法定相続人以外の人が不動産を受け取った場合は、不動産取得税が発生します。(土地および住宅は3%、住宅以外の建物は4%の税率で不動産取得税が課されます。)

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2.売買による名義変更

2-1. いつ手続きすればいい?

土地や建物の売買をする際に行うのが、売買による所有権移転登記です。売主から買主へ、その権利を移し所有者の名前を変えることです。民法では売買契約締結時に所有権が移転するとされています。しかし支払いがまだなのに所有権だけが移ってしまうことを防ぐため、特約を設けて残金が支払われた後に所有権を移転するように取り決めることが通常となっています。

名義変更は、通常は売主と買主が共同で行うことになりますが、実際は不動産会社を通じた売買であることが多いため、手続きも不動産会社を通じてサポートしてもらうとよいでしょう。

また、地域によっては売主・買主のどちらかが名義変更の費用を負担するなど、その土地での慣習がある場合があります。まずはお住まいの地域の習慣を確認しましょう。

2-2. 誰に頼めばいい?

土地や建物の不動産売買は、不動産会社を通じて行うことが多いため、名義変更の手続きについては依頼している不動産会社が普段から委託している司法書士を紹介してもらうことが多くなります。

もちろん、きちんと不動産会社の承諾を得られれば、ご自分で選んだ司法書士へ依頼することも可能です。登記業務は司法書士の独占業務とされているため、司法書士を通じて行います。

2-3. 必要な書類は?

売買による名義変更の場合に必要な書類は、以下の通りです。

  • 印鑑証明書(売主・買主の両方必要)
  • 登記識別情報
  • 印鑑証明書
  • 住民票(売主・買主の両方必要)
  • 固定資産評価証明書

2-4. 費用はどれくらいかかるの?

売主と買主によって、かかる費用は異なってきます。

売主の場合

  • 必要書類を取りそろえるための費用。これらは相続の時と同様、1件あたり1,000円程度までの金額です。
  • 抵当権抹消登記・住所変更登記・氏名変更登記にかかる登録免許税。抵当権抹消登記は通常は所有権移転登記と同時に行われます。
  • 司法書士へ依頼する場合の報酬。合計で15,000円~25,000円程度の報酬となる場合がほとんどです。
  • 土地や建物を売却した際に得た所得に対してかかる税金。これは土地や建物を所有していた年数や不動産の種類で税率が異なります。

買主の場合

  • 所有権移転登記。法律では売主・買主の共同で納付するとされていますが、通常は買主が負担する場合がほとんどです。所有権移転登記にかかる登記免許税は、土地と建物に分けて定められていて、土地の不動産価格の1,000分の20、建物の不動産価格の1,000分の4となっています。また、特定認定長期優良住宅など、特定のリフォームがされている住宅家屋は別の税率が設定されています。
  • 司法書士への報酬。売主の場合と異なり、不動産の情報収集や調査、書類の準備、所有権移転登記の申請手続きが発生しますので、現在の相場は50,000円~120,000円です。
  • 不動産を取得したことに対する税金、不動産取得税。固定資産税評価額の4%と決められています。また土地の種類や建物の状態などで、計算方法や控除額が違います。
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3.贈与による名義変更の場合

続いて、贈与の場合の名義変更について紹介します。

3-1. いつ手続きすればいい?

贈与とはすなわち、建物や土地の所有者が生きている間に、その財産を無償で相続人に譲ること、いわゆる生前贈与のことです。

この場合、贈与する人とされる人の間で贈与契約が締結されます。多くの場合親子間で行われる生前贈与ですが、名義変更せずになんとなく受け継いだ、という状態であるケースもよくあります。しかし名義変更をしていないと、その土地や不動産を売却したくなった時、その所有者が自分であることを証明できず、売却ができなくなります。

そして、贈与でも契約書を作成することになりますが、契約である以上は双方ともに判断能力を備えた状態である必要がありますので、一層注意が必要です。名義変更のタイミングは、贈与が行われたらなるだけ早く行うのがよいでしょう。

3-2. 誰に頼めばいい?

贈与によるさまざまな手続きについても、やはり司法書士への依頼が一番スムーズだといえます。

例えば親の土地が遠く離れているからといって、その土地の近くの司法書士に依頼すればいいのかといえばそうでもなく、土地がとこにあっても司法書士の拠点に関係なく対応してもらえます。

3-3. 必要な書類は?

贈与の際に必要な書類は、下記のような書類が必要となります。

  • 住民票(贈与される人)
  • 登記原因証明書
  • 登記識別情報
  • 印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書

3-4. 費用はどれくらいかかるの?

生前贈与する場合には、主に次のような費用が発生します。

  • 登録免許税(不動産評価額の2%)
  • 必要書類の取得手数料
  • 不動産取得税
  • 司法書士への報酬
  • 贈与税(土地の評価額によっては最大55%となりますが、非課税枠など、節税ができる部分もありますので、よく確認しましょう)
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4.財産分与による名義変更の場合

最後に、財産分与による名義変更について見ていきましょう。

4-1. いつ手続きすればいい?

財産分与は、離婚によって夫婦の間で財産を分け合うことを意味します。必ずしも土地や建物の不動産がその対象となるわけではありませんが、もし対象となったら名義変更を行う必要が出てきます。

不動産の財産分与について合意されている場合は、他のケースと異なり、離婚後2年以内に財産分与すること、すなわち名義変更に期限が設けられていますので注意しましょう。

4-2. 誰に頼めばいい?

当事者である二人の話し合いがスムーズ出ない場合は、不動産以外の財産分与なども含めて弁護士へ依頼するケースがあります。

一方、二人の合意がなされていて、名義変更と離婚協議書の作成のみなのであれば、司法書士へ依頼すると、スムーズに手続きが進みます。

4-3. 必要な書類は?

財産分与における土地や建物の不動産名義変更に必要な書類は、次のものです。

  • 登記原因証明書
  • 登記識別情報
  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 戸籍謄本

4-4. 費用はどれくらいかかるの?

財産分与における土地や建物の不動産名義変更に必要な費用には、主に次のようなものがあります。

  • 必要書類取得費用
  • 弁護士や司法書士への報酬
  • 名義変更のために必要な登録免許税(不動産評価額の2%)

財産分与による不動産取得に関しては、原則的には税金はかかりません。しかし、金額によっては課税される場合もありますので、よく確認するようにしましょう。

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名義変更は自分でできる?

土地や不動産の名義変更に、必ず司法書士を通じて行うべきだと決められているわけではありませんので、ご自身で手続きを行うことは可能ではあります。

しかし、名義変更の手続きというのはその状況によって異なるとはいえ、いずれも複雑かつ煩雑であることに変わりはありません。

必要書類を取得したり、申請のために何度も法務局へ足を運んだり、あるいは名前に使用する漢字が違った、などの不備があった場合は訂正して改めて提出となり、更に時間がかかってしまいます。このようなことから、司法書士への報酬をカットするメリットよりも、司法書士へ依頼して正確にスムーズに手続きを済ませるメリットの方が大きいと考えられることが一般的です

土地や建物の名義変更の手順や費用を確認しておこう

名義変更が必要な状況になった場合、それぞれのケースによって、細かいことは異なります。必要な書類を準備し、司法書士へ相談・依頼し、なるだけ早い段階で名義変更を済ませることが、後々、自身を含めて関係者のメリットになるでしょう。

税金については、建物や土地の評価額などによって、節税できる場合も考えられます。まずは専門家である司法書士へ相談してみましょう。また、名義変更に必要な書類は、法務書ホームページにも詳しく載っています。いざ名義変更手続きが必要な場面になって慌ててしまわないよう、少し時間がある時に調べるなど、アンテナを張っておきましょう。

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