不動産会社と媒介契約を締結したら、いよいよ売却活動の本番です。
「納得のいく不動産売却の知識」の第2回と第3回でご紹介した方法によって選んだ不動産会社、担当営業マンと共に協力しながら売却活動を進めていきましょう。
今回は3ヶ月に及ぶ媒介契約期間中に不動産会社から受け取る媒介活動報告書のチェックポイントや内見時に購入検討者に好印象を与えるコツなどをご紹介します。
媒介活動報告書をしっかりチェックする
宅地建物取引業法により専任媒介契約を締結すると不動産会社から2週間に1回以上の頻度で媒介活動報告書が送られてきます。
担当営業マンとはメールや電話などで日頃から売却活動の進捗確認などのコミュニケーションは取れますが、この媒介活動報告書には特に注力してチェックしましょう。
報告書には下記のような売却活動の内容が記載されています。(不動産会社によって報告項目に多少の違いはあります)
- レインズ(不動産業者間で共有する物件情報サイト)の反響状況
- 不動産会社のHP、スーモやホームズなどの不動産ポータルサイトの反響状況
- 新聞折込チラシ、ポスティング、DMなどの反響状況
- オープンハウス(現地販売会)の来客数
- 不動産市況の動向
- 近隣売却不動産の成約状況
- 担当営業マンからのコメント
媒介活動報告書を読んで担当営業マンがちゃんと活動していることをチェックするのはもちろんですが、これらの内容をあなた自身でもいろいろと分析してみましょう。
例えば、「新聞折込チラシやポスティングの反響数にエリアごとの大きな差は出ていないか?」差があったら反響数の多いエリアに似たエリアに集中して配れば反響数は多くなり、成約確率も増加します。
オープンハウスでも、来客数が多い曜日・時間帯があるはずなので、そこに集中して行うなど、結果→分析→改善実行というようなサイクルで活動し成約確率を高めていきましょう。もちろん担当営業マンもこのようなサイクルに基づいて売却活動を行っているはずですが、あなたからも気付いたことはどんどん提案していきましょう。
内見は購入検討者にアピールできる絶好のチャンス
購入検討者が現れたら、次は内見の段階になります。
売却する物件に住みながら売却活動をする場合は、自宅にお客様をお迎えする感じでおもてなししましょう。
基本的に内見時のアテンドは担当営業マンが行い、購入検討者に対してその物件の良い部分をアピールします。
しかし、いくら不動産知識が豊富な営業マンでも、長い間その物件に住んでいた売主であるあなたには及ばないはず。
その不動産に愛着を持っている売主だからこそ知る、良い点がたくさんあるはずなので、積極的に購入検討者に伝えましょう。
また、空き状態になっている不動産を売却する場合も、日頃から整理整頓や清掃などをこまめに行い、いつ内見があっても対応できる状態にしておくことが大事です。
いくら良い物件であっても、室内が汚れていたり、カビ臭かったりすると、内見にきた購入検討者の心証が悪くなってしまいます。
このような小さな気遣いが不動産売却の成功のカギとなるのです。
そして、あなたが思っている以上に中古不動産を購入する方は、売主のことをチェックしています。
もし、自分が中古不動産を購入する立場なら、前の居住者である売主がどんな人だったか気になるものですよね?
安心して購入してもらえるよう、買主には良い印象を与えましょう。
成約価格を事前に決めておく
売却活動を長く続けていても、なかなか希望売却価格で購入してくれる買主が見つからない場合があります。
買主によっては値下げした指値価格で購入の申入れをしてくることも多々ありますので、事前に「この価格までなら売却してもいい」というような下限価格を決めておきましょう。
ただし、ここで注意したいのが売却価格の下限は自分の心の中だけに留めておき、担当営業マンには言わないことです。
信頼できる営業マンであっても、あらかじめ伝えてしまうと、どうしても「最悪、下限で買ってくれる買主を見つければいいや」というインセンティブが働いてしまいます。
実際に希望売却価格通りに売れる事は稀なので、ある程度の値下げ交渉がくる事を織り込んでおいて、事前に妥協できる成約価格を決めておきましょう。
繰り返しになりますが、納得のいく不動産売却を実現するためには、担当営業マンに丸投げではいけません。
あくまで仲間として二人三脚で売却活動に望みましょう。
きっと満足いく良い結果が出ると思います。