欠陥や不具合のある自宅を売却する時の3つの戦略
今回のテーマである、「自宅の欠陥や不具合を理由に住み替えをする」ケースでは、欠陥や不具合のある自宅をどのように売却するかがポイントになります。
普通に考えれば分かることですが、シロアリ被害、雨漏り、建物の傾き、耐震性不安、住宅設備の故障など欠陥や不具合のある住宅をあえて購入したいという人は、転売目的の不動産業者を除けばいません。
また、欠陥や不具合のある住宅というのは、建物の築年数が古く老朽化している場合がほとんどですので、売却活動が難航することが予想されます。
ここでは、そんな欠陥や不具合のある自宅を売るための3つの戦略をご紹介します。
【戦略①】修繕・リフォームをしてから売却する
戦略の1つ目は、自宅の欠陥や不具合部分を修繕・リフォームして直した上で売却するというやり方です。
自宅の欠陥や不具合を直してしまえば、普通の中古住宅として売りに出すことができますので、そのままの欠陥がある状態で売りに出す場合より、早く高く売却できる可能性があります。
その一方で、修繕工事やリフォーム工事の費用は売主が負担しなければなりません。
キッチンやトイレなど一部の住宅設備の不具合であれば、工事費もそこまで多額にはなりません。
しかし、シロアリ被害や雨漏り、耐震補強など大規模な修繕工事を必要とする場合は多額の費用を負担する必要があります。
修繕やリフォームに要した費用をそのまま自宅の売却価格に上乗せしても実際に買い手が見つかるかどうかは分かりませんので、大きな費用がかかる工事をして売却する場合は、採算がとれるか細かく精査した上で実施しましょう。
【戦略②】建物を解体して更地として売却する
2つ目は、自宅の建物部分を解体して更地として売却する方法です。
自宅の築年数や欠陥・不具合などの老朽化の度合いがひどく修繕工事に多額の費用がかかってしまうケースでは、 建物自体を取り壊して土地として売却した方が早く高く売れる可能性があります。
また、更地での売却は、売主側の建物の瑕疵担保責任を心配しなくて済むというメリットもあります。
一方で、修繕・リフォームと同様に建物解体の費用は売主負担となりますので、解体にかかる費用と更地として売る時の想定売却価格を考慮した上で判断したほうが良いでしょう。
【戦略③】そのままの状態で安く売却する
3つ目は、修繕・リフォームや建物解体などあえて何も行わず、欠陥や不具合のある状態で自宅を売却する方法です。
この場合、買主があなたの自宅を購入した後に修繕・リフォームをすることになります。売主からすると欠陥や不具合の修繕・リフォームをせずに済むので、これらの出費をセーブすることが出来ますが、その代わり自宅を相場より安い値段で売りに出すことになってしまいます。
なお、この方法で自宅を売却するときは、売買契約書に「売主の瑕疵担保責任を免責にする」という特約を付けることが可能か買主側と交渉することが重要です。
老朽化している物件は、売主が認知している欠陥や不具合以外にも何かしら問題を有していることが多いからです。
なお、瑕疵担保責任の詳細については、不動産売買における瑕疵担保責任ってなに?を参考にしてください。
それぞれの売却戦略に一長一短がありますので、売却依頼をする不動産会社とよく相談した上で決めることをおすすめします。
自宅の欠陥や不具合を理由に住み替える場合のまとめ
今回のテーマである「自宅の欠陥や不具合などを理由に住み替える場合」では、「欠陥や不具合のある自宅をどのようにしたら売却することができるのか?」という事が最大の関門になります。
立地などの諸条件にもよりますが、一般的に欠陥や不具合のある住宅はなかなか売れません。
通常の自宅の住み替えより難易度は高くなりますので、不動産会社と二人三脚でしっかりと戦略を立てた上で自宅の売却活動を行い、満足のいく住み替えを実現させましょう。