不動産売却後の確定申告のポイントは?計算方法や必要書類をチェック

不動産売却後は必ず確定申告が必要?

不動産売却の際は、多くの場合、確定申告が必要になります。

確定申告とは、1年間の所得に対する税金を計算して、税務署に納めなければならない金額を申告することです。

会社員の場合は、確定申告は免除されているので、馴染みがないかもしれません。

しかし、免除されているのは、あくまでも確定申告です。税金は源泉徴収で天引きされ、年末調整によって所得や各種控除を細かく計算して、精算されています。

しかし、給与以外に所得があっても会社は把握できませんので、給与以外に所得があった場合は、個人で確定申告が必要です。

不動産売却の際には、不動産売却金から、取得費や手数料などを引いて計算した譲渡所得がプラスとなっていれば、課税対象となり確定申告が必要です。

せっかく利益が出ても、税金が必要なことは少し残念に思うかもしれません。

しかし、確定申告と納税が漏れていた場合、大きなペナルティを課されることもあります。事前に準備をして、漏れなく確定申告できるようにしておきましょう。

確定申告が不要な場合

譲渡所得が利益が出た場合確定申告が必要なのは、先述の通りです。

では、譲渡所得がマイナスとなった場合はどうなるのでしょうか。答えは確定申告不要です。

しかし、確定申告をしないと判断するのには、まだ早いです。確定申告をしないと損をするケースがあるのです。

注意!マイナスでも確定申告が必要な場合

不動産売却をしても必ず得をするとは限らず、損することもあります。

しかし、がっかりしてはいられません。税金でその損を取り戻せる制度があるのです。

条件を満たせば、損をしても、その他の所得と相殺して所得税や住民税を減らせます。これを損益通算といいます。

損益通算による税負担の軽減が可能なのは、不動産を売却した年だけではありません。売却した年の所得よりも譲渡による損失額が大きく、相殺しきれない場合は翌年以降の所得からも繰り越せる「繰越控除」の利用が可能です。

それは、売却した年の翌年から最長3年間に渡って利用できます。つまり、売った年と合わせて最長4年間は、所得税等や住民税が軽減されたり、場合によっては0になったりするのです。特例には2種類あります。

マイホームの買い替えに伴う場合の特例

1つめは、自宅の買い替えの際に利用できる特例です。「マイホームの買換えの場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」といいます。利用するには以下の要件を満たす必要があります。

【売却物件に関する条件】
・譲渡年の1月1日時点で所有期間が5年超
・500m2以上の敷地売却の場合、500m2までの損失までが対象

【買い換える居住用不動産に関する条件】
・売却の翌年の12月31日までに借入れにより取得
・取得年の翌年12月31日までに前の居住用不動産を売却
・居住用の床面積は50m2以上
・購入後の物件の住宅ローンは、融資期間10年以上であり、かつ特例を受ける年の年末に残債がある

新たに不動産を購入するために住宅ローンを組む場合、住宅ローン控除との併用も可能です。

ただし、所得が3,000万円以上の年については、特例の対象外となります。

買い替えを伴わないマイホームの売却の特例

「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」といいます。特例を利用するには、以下の条件があります。

【売却物件に関する条件】
・譲渡年の1月1日時点で所有期間が5年超
・譲渡の前日にそのマイホームに係る償還期間10年以上の住宅ローンの残債がある
・住宅ローン残債が売却金額を超えている

翌年に繰り越せる損失の金額は、ローンの残債から売却価額を差し引いた額に限定されます。

また、買い替えに伴う特例と同様に、合計所得金額については、3,000万円以下の制限があります。

確定申告の流れと方法

確定申告の期間は、基本的に毎年2月16日〜3月15日までです。

開始日・終了日が土曜・日曜・国民の祝日・休日の場合は、その翌日となります。確定申告書を提出した後に間違いに気づいた場合、期限内であれば修正した申告書を再び提出できます。

その場合は、期限内で最後に提出したものが正しい申告書として扱われます。

しかし、期限を過ぎると、「期限後申告」となり、無申告加算税や延滞税が課せられることもあります。

従って、確定申告をする場合は、期限を過ぎないように、余裕を持って準備する必要があります。

提出書類の準備

以下の提出書類は、税務署で入手できるほか、国税庁のホームページで作成できます。

・確定申告書B様式
・分離課税用の申告書
・譲渡所得の内訳書
自分で用意する必要がある書類は、以下の通りです。
・住民票(不動産売却時、登記名義人の現住所と登記の住所が異なる場合)
・売却物件の売却時の売買契約書(コピー)
・売却物件の購入時の売買契約書(コピー)
・仲介手数料、印紙税などの領収書(金額がわかる書類)
・建築当時の請負契約書(注文住宅の場合)
さらに、特例を利用する場合は、他にも書類が必要です。以下のリストをご参照ください。

計算方法

譲渡所得税の計算式は、以下の通りです。

・譲渡所得税=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)
税譲渡所得は次の計算式で計算します。
・課税譲渡所得=売却価格-{購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費}

売却価格から購入価格を差し引き、さらに購入時と売却時にかかった経費も差し引けます。

購入価格や購入時の諸経費がわからない場合は、概算取得費として、売却価格×5%で計算することもできます。

不動産売却時に損した場合の特例を紹介しましたが、得した場合に利用できる特例もあります。

得をしたときの特例は3つありますが、共通の条件は、売却不動産が居住用財産であることです。

居住用財産とは、細かく定義されてはいますが、簡潔にいうとマイホームのことです。次に、3つの特例について解説します。

居住用不動産の売却で課税譲渡所得が発生する場合

「3,000万円の特別控除」の特例を受けられます。

譲渡所得の額から最大3,000万円を控除できる特例です。課税譲渡所得が3,000万円以下の場合は、譲渡所得税を支払う必要がなくなります。

居住用不動産の所有期間が10年を超えていた場合

「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」が利用できます。

これは控除ではなく、税率を軽減できる特例です。3,000万円の特別控除後の所得が6,000万を超えない限りは、利用できます。

マイホームを買い替えて利益が出た場合

「特定の居住用財産の買換え特例」を利用できます。家を売却した金額よりも、新しく購入した家の方が金額が高い場合、課税されない特例です。

売却不動産にも、購入不動産にも要件があります。

申告書類の作成

確定申告書等の書類記入は、税務署で入手した書類に手書きで記入する他、パソコンで、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用することもできます。

画面案内に従って入力すると、自動計算もしてくれ、比較的簡単に確定申告書等を作成できます。

国税庁に「確定申告書等作成コーナー」の操作方法に関する問い合わせ窓口があり、不明点は電話で確認もできます。

提出方法

提出方法は、次の3通りから選べます。

・郵送等で、所轄の税務署に送付
・所轄の税務署へ直接持参
・国税電子申告・納税システム(e-Tax)で申告

納税または還付

納税方法は、次の3通りから選べます。

・振替納税を利用
・現金で納付
・国税電子申告・納税システム(e-Tax)で納付
・クレジットカードで納付

税金が還付される場合は、申告書に記入した預金口座に振り込まれます。

確定申告で不明点がある場合の確認方法

確定申告で不明な点がある場合には、プロに相談しましょう。相談先を2つ紹介します。

税理士に相談

多忙でどうしても確定申告の手続きが進まない場合や、不明点があって行き詰まることもあるかもしれません。

そんなときは、税理士に相談することをおすすめします。

税理士への相談・依頼は、通常は有料ですが、確定申告の時期には、税務署に税理士の無料相談窓口が設置されます。

売却前に不動産会社に相談

不動産売却は一生に一度あるかないかの一大イベントです。

確定申告に対する不安を持ったまま不動産を売却するのは、心許ないでしょう。不動産売却を検討するなら、売却前も売却後の事も相談できるような信頼できる不動産会社に任せてはいかがでしょうか。

税理士免許を持っていない場合、具体的な税務の計算はできませんが、不動産会社は不動産のプロです。

売却のノウハウも関連税務の知識も蓄積されています。不安の解消に一役買ってくれるに違いありません。

不動産売却の際は確定申告のことも忘れずに!

不動産売却の際には、必ず確定申告のことを考えなければなりません。

事前にポイントを調べたり、信頼できる不動産会社に相談したりして、慌てずに手続きできるようにしておきたいですね。

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