不動産売買のキャンセルを防ぐ究極の方法【2024年最新版】

自分の所有するマンションや戸建を売るときには、不動産会社とのやり取りや、内見への対応、契約に向けた交渉などやることが色々あります。

時間を割いて色々な対応をして、売主が見つかり、ようやく家が売れるというタイミングでキャンセルが発生すると非常に残念な気持ちになると思います。

買主にも色々な事情があるので、キャンセルが発生することがやむを得ない場合ももちろんあると思います。

それだけではなく、自分が住むための家探している訳ではない場合、例えば投資目的や市場調査目的などで契約直前や契約直後にキャンセルをしてくることも稀にあります。そうなるとこちらも手間だけかかってしまい、徒労感を覚えてしまうでしょう。また売却までに時間的な制約がある時には大きな機会損失が発生してしまいます。

そこで今回は家の売買におけるキャンセルについて学び、キャンセルをしそうな買主を見抜くコツ、キャンセルを申込まれた時の対応などをご紹介したいと思います。

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キャンセルができるタイミング、キャンセルを認める2つの特約

まず家の売買において、キャンセルをしても契約的に問題がないタイミングと、問題のあるタイミングがあります。

違約金などが発生することもなく、売主としてもある程度キャンセルが起きてもやむを得ないと知っておくべきなのは、「売買契約の締結前」です。

個人間の不動産売買における売買契約締結とは

  • 宅地建物取引士が買主と売主が同席する場で、重要事項を買主に説明し、署名・捺印する
  • その際に提示された売買契約書に買主と売主双方が署名と捺印を行う

上記を行うことで成立します。この売買契約締結の前であればキャンセルが発生してもキャンセル料も仲介手数料も発生しません。

では、売買契約の締結後はどうでしょうか?


通常、売買契約を締結する際には、物件の購入手付金として、物件代金の10%を支払うケースが一般的です。売買契約後のキャンセルでしたら、この手付金は違約金として、買主には返済されず、売主のものになります。

しかし、特約を設定して売買契約後のキャンセルでも違約金が発生しないようにしているケースも多くあります。特約とは以下のようなものです。

1.ローン特約住宅ローンの審査がおりなかった場合は契約解除ができる

不動産の購入金額は高額なので一般的な買主は金融機関でローンを組みます。買主はローンを組むために売買契約締結のあとに金融機関にローンの申込みをして承認をしてもらう必要があります。

しかし、金融機関の審査の結果、不承認となって買主がローンを組めないケースもあります。(支払い能力がない、物件に担保価値がないと判断されるなど)
ローンが組めないと買主は売買代金の支払いができないので契約を解除する必要があります。

売買契約締結後に買主の事情で売買契約を解除するのであれば、買主は手付金を放棄しなければなりません。しかし、金融機関からのローンの承認が得られるかどうかは金融機関に実際に審査をしてもらわなければ分からない不確実なものです。 

そこで金融機関からのローンを利用する場合、売買契約にローン特約条項を設け、ローンが組めなかった場合には、買主は売買契約を無条件で解除でき、手付金も買主に戻ってくることにしている場合が多いです。

2.買い換え特約買主が今所有している家を予定通り売却できなかった場合は契約解除できる

買主が、今住んでいる家など別の不動産を売却したお金を、新たな不動産を購入費用にすることを買い替えといいます。

ローン特約と同様、こういった買い換えの場合も別の不動産の売却が買主の予定通りとなるかは不確実です。予定通りの期間内に売却できなかったり、予定していた金額では売却ができなかったりなど色々なケースが考えられます。

そのため買い替えの場合は、売買契約に買い替え特約を設けて今住んでいる家など別の不動産の売却が予定通りにいかなかった場合は、買主は売買契約を解除できるようする場合が多いです。

買い換え特約は、どのような物件がいくらで、いつまでに売却できないときに契約が解除できるのか、手付金などを返還するのかどうかなど具体的な条件を決めておくことが大切です。

いずれのケースも結局は「資金調達に難があったので、買いたくても買えない、そのためにキャンセルになっても罰則がない」という特約です。特に前者に関しては個人間売買では特約として入っているケースがほとんどです。

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キャンセルが発生する傾向をつかむ:金融機関の数・配偶者の合意

ローン特約や買い替え特約がある場合、キャンセルが発生することはある一定の割合でありますし、なかには、はじめから特約をつかってキャンセルをするつもりの買主もいるようなので注意が必要です。

ローン特約がある場合、住宅ローンの融資がおりなければ、売買契約後のキャンセルは当然おこなえてしまいます。売買契約後のキャンセルが起きそうかどうかは、相手の住宅ローン融資のための行動を見ることである程度の傾向を掴むこともできます。

例えば1つの金融機関にしか審査を申し込まない買主は要注意です。融資が通るのが確実だと自信があれば別ですが、もちろん金利や返済期間など、金融機関によって条件の違いはありますが、1つの金融機関にしか審査を申し込まないというのは、本当に家を欲しがっているのかどうか怪しいところです。

その金融機関での審査がおりなかったことを条件にキャンセルを伝えてきたら、他の金融機関への審査を依頼してみても良いでしょう。

また買主単独での融資を申込んだのではなく、配偶者との共同名義ローンでないと融資が受けられない、しかし配偶者が了解しないなどの条件を後付で伝えてきて、そのために融資が受けられなかった、といってキャンセルを申込んでくるケースもあります。

このように「複数の金融機関にローンの融資を受けようとしているか」「しっかりと夫婦合意の上で金融機関にローン審査を申し込んでいるか」は売買契約の時点で確認できますし、仲介の不動産会社は必ずそのような点を承知しているはずです。

相手がローンを組むに当たってどういった行動をしているのか、買い替え予定の現在の家の売却状況はどうかをきちんと把握することは大切です。

またキャンセルが発生しても、単純に相手の言い分をそのまま飲むのではなく、事情や状況などをきちんと把握した上で、納得が行かない点があれば、仲介の不動産会社に伝えて、買主に対して交渉をしていくことも大切だと思われます。

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キャンセルを申し込まれたら違約金を徴収することを忘れずに

不動産の売買契約は宅地建物取引業法で、口約束などは効力が発生せず、綿密な重要事項説明が必要だと取り決められています。違約に関しても、売買契約時の内容が最優先されるとの規定があるので、相手の言いなりにならず、断固とした態度で違約金を請求しましょう。

ただし住宅を購入する意志はあったのに、急な転勤で家がいらなくなった、などのケースでは、違約金の請求はもちろん契約上は可能なのですが、相手にとってもやむを得ない事情があったということで、違約金の金額は僅かになることが多いです。相手の真剣さ、態度、誠意などをみて判断してみてもいいかもしれません。

相手がキャンセルをしてこないかどうかは、重要事項説明のときの態度、金融機関にどの程度審査を申し込んでいるか、重要事項説明前の時点で共同名義ローンにするかなどの特殊な事情をしっかり説明しているか、といった点で推定できます。

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まとめ:引き渡すまで気を抜かずに売買を成功させよう

このように不動産は売買契約の前であれば、キャンセルできます。どんなに良い買主候補が見つかったとしても内見や申込の段階で気を抜いてはいけません。もちろん売却活動の手を緩めるといったことはするべきではありません。

また売買契約の後でも、ローン特約や買い替え特約で契約のキャンセルはできますし、買主のやむを得ない事情でキャンセルとなることもあります。

引き渡すまでが売却活動」という気持ちで、最後まで気を抜かず悔いのない売却活動をするようにしましょう。

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