自宅を売却するとき「どこの不動産会社がいいのか?どんな売却方法がオススメなのか?」で悩まれる方が多いと思います。
では不動産のプロである不動産会社に相談すればいいのかというと…「騙されて不動産会社の都合の良いようにされそう…どうせ自社に任せるのが一番いいと言われるに決まってる…」と考え、どうしていいか分からなくなってしまうと思います。
今回は一部の不動産会社ではこんなことをやっているウラ話と回避する方法をざっくばらんに伺ってみました。
第2回インタビューのS氏のプロフィールは以下です。
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S氏
30代既婚
中堅不動産仲介会社勤務
現在は賃貸。
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〜正直すぎる売主様は損をするのか?簡単に回避できる方法があるとの事で伺ってみました〜
編集部:不動産仲介会社の収益の柱となるのは成約時にお客様から頂戴する仲介手数料だと思いますが、売り上げを伸ばすために努力をされていることはございますか。
S氏:誠心誠意気持ちを持って営業することです!が、多少のリップサービスは必要なので常にお客様の様子を伺いながら仕事をしています。
編集部:実は私も保険会社で営業をしていた過去があるのですが、仮に自社の保険商品が他社の保険商品より劣っていたとしてもお客様には絶対にそんなことは言いませんでしたし、ある程度のリップサービスは必要だと思います。
S氏:当然ですよね。正直過ぎる営業をしたらお客様は他へ行ってしまいますよ。私が携わらなければお金にならないので意味はないです。
そうは言うものの我々はハウスメーカーのように自社の商品だけを売り込む営業とは少し違います。お客様にとって一番良いものが価値のあるものなので客観的な立場に立ってお客様にその物件のメリット、デメリットをお伝えするんです。
編集部:営業マンの鏡ですね。是非私が家を買う時はお願いしたいです。
他に仲介手数料を頂戴する為に何か営業努力をされていますか。
S氏:両手取引は意識していますね。(※両手取引とは)
もっと美味しいのは2回の取引を行える案件ですね。
編集部:2回の取引とは??
S氏:色々な事情で不動産を売却されたいというお客様がいらっしゃいます。良くあるケースが相続案件。その不動産を所有する親がなくなり子が相続するケースです。相続したお子様はとりあえず早く売却してしまいたいという方が多いんです。そんな時は買取業者を探してご納得できる金額であればそのまま進めていくんです。
編集部:お客様がご納得された上で買取してもらうんですよね。
S氏:もちろんその通りです。
編集部:全然普通の営業じゃないですか。
S氏:極端な例でご説明しますが、もしお客様から2,000万円であれば売却して良いと言われる物件の価値が3,500万円だったらどうしますか。
編集部:2,000万円でも良いって言っているのに3,500万円の提示をされればそのお客様は喜んでいただけると思うのですが。。。
S氏:いいえ、2,000万円で売買契約をします。それで我々は、売主様、買主様から仲介手数料をいただきます。合わせて132万円の仲介手数料です。
編集部:2,000万円で132万円よりも3,500万円で222万円もらった方が会社の利益にもなるじゃないですか。
S氏:2,000万円で売買契約をして132万円をいただき、その後で3,500万円で売買契約を行えば222万円、合計352万円貰えるじゃないですか。
編集部:それって自社の利益のためだけに動いているってことですよね。
S氏:それが自社にとって一番の利益だと思いませんか。会社に貢献できて且つ自分の歩合給に反映されますし。
編集部:確かに仲介会社さんにとっては一番の利益だとは思いますが、全くお客様の為にならないじゃないですか。囲い込み(詳しくは、不動産業界の悪しき慣習「囲い込み」とは何か?)より更にヒドイですね。そんな事を慢性的に行っているのですか。
S氏:そんなおいしい案件は多くないので慢性的ではないですけど、不動産各社の中ではやっている人間はいますよ。
編集部:バレたら大ごとですね。
S氏:バレなければ、お客様も業者も喜んでくれますし、我々も嬉しい。皆が嬉しいなんて最高じゃないですか?
編集部:だんだんSさんのことが悪人に見えてきました。。。
S氏:それだけ毎月のノルマがキツいんですよ。ノルマ以上の成果をあげれば歩合給は多くつきますから頑張れるんですよ。自分のために。悪人にさせたのは会社です。。。
編集部:仕事楽しいですか?私はノルマがキツい保険会社の仕事にうんざりして辞めました。
S氏:楽しいですよ。仕事を割り切れるかどうかで変わりますよね。割り切れず辞めてしまう営業マンはいます。
編集部:会社、業種によって異なるのでしょうけど営業って楽ではないですよね。
私にとってショッキングな業界の裏話ですが、当事者にならない為にはどのようにすればよろしいのでしょうか。
S氏:非常に簡単です。不動産会社一社のみに依頼しないことです。
数社に依頼することで不動産各社は他社に負けじと高い買取価格の提示をします。
2回転はまず出来ないでしょう。
編集部:一社であっても最初から親身にやってくれないのでしょうか。
S氏:もちろんやってくれる不動産会社はありますよ!
編集部:Sさんのように一見真面目そうに見える方でもそんなことやっているなんて全く見抜けませんね。そういう業界だからこそ一般の方のは気をつけて不動産仲介会社の選定をしなければならないですね。
S氏:その通りです。
編集部:Sさんが不動産を所有していて売却する際はどんな基準で不動産屋さんに声を掛けますか。
S氏:数社に声をかけるのは間違いないのでまずは一括査定を利用しますね。その中から数社選びます。該当不動産の近くの不動産会社、営業力の強い不動産会社、それとそれなりに名の知れた不動産会社ですかね。やり取りは面倒ですけど少しでも良い条件で納得した売却を目指したいです。
編集部:Sさんが一括査定賛成派だとは予想していませんでした笑。反対派のご意見…。Sさんのおっしゃる通りです。
S氏:私だって定期的に真っ当な仕事が入り営業力でカバーができれば変則的な売買はしたくないですよ。不動産仲介の仕事はお客様に喜んでいただけることにやりがいを感じてますし、本当にそれができる環境であれば望ましいことです。
今後、今のやり方で仲介の仕事が成り立つとは思っていません。
これからの時代は誰が一番早く売主の為に成約というゴールをお持ちできるのか競争すべきだと感じます。媒介の為の無駄な競争はやめていくべきです。
編集部:Sさんのお気持ちお察しします。ブラックな人間になり切らないことを切に願っております。本日はありがとうございました。
まとめ:複数の会社の査定を取ることにより、ブラック売買や囲い込みの付け入る隙を与えない情報武装をしよう
今回のS氏との対話をまとめました。
- 仲介手数料を最大限頂戴するために、顧客の気持ちを省みない売買を行う事例がある。(2回転の売買契約)
- 不動産会社数社に売却を依頼することで不当な価格での売買契約を簡単に回避できる
- 不動産会社営業マンが自宅を売却するなら数社に依頼する。
その基準は、
1.当該売却不動産の近くの不動産会社
2.営業力が強い不動産会社
3.それなりに名の知れた不動産会社
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