自宅を売却するとき「どこの不動産会社がいいのか?どんな売却方法が良いのか?」を検討しますよね。
かといって不動産会社に相談すれば「不動産会社の都合の良いようにされそう…どうせ自社に任せるのが一番いいと言われるに決まっている…」と考えてしまいがちです。
「お客として不動産会社に相談しても本当のことを教えてくれなそう…」ならば、「不動産会社の社員自身がどのように家を売却したのかを聞いてみて、その情報を参考にすれば、本当にオススメの売却方法が見えてくれるはず!」という目的のもと、不動産会社で働く(働いていた)方々に自分の不動産をどう売却したのか、実際のところを聞いていきたいと思います。
今回はシリーズ第2弾、自宅マンションを短期間で売却した女性不動産営業マンにフォーカスします!
☆第1弾の記事はこちら☆
- 1 第2回:現役不動産営業マンO氏(業界BIG3の大手不動産仲介会社勤務)
- 2 マンション購入の経緯:動機は「特定の地域に住みたい」というシンプルなものだったが、始めから売却前提で購入
- 3 急転直下、購入後すぐに結婚することに。6ヶ月という短い期間で売却活動に入る
- 4 売却活動方法:「1社に任せる」という選択肢は無し。自分の会社を含め2社に一般媒介契約で依頼
- 5 結局仲介手数料値引きは強い。A社経由で申し込みが入ったものの、仲介手数料が安いB社で契約することに
- 6 一般媒介契約のメリットは速い成約。やり取りが多いことが最大のデメリット
- 7 売主の課題は「やりとりの簡便化」と「多数の不動産会社への情報開示」の両立。解決する手は?
- 8 まとめ:不動産営業マンは「複数社への売却依頼」をする!そのメリットは「たくさんの買主候補の目に触れること」
第2回:現役不動産営業マンO氏(業界BIG3の大手不動産仲介会社勤務)
第2回インタビューのO氏のプロフィールは以下です。
- O氏(女性)
30代既婚
大手不動産仲介会社にて仲介営業を行なっている。
1年前に居住用の1LDKの駅近マンションを売却。 - 聞き手:HowMaマガジン編集部 渡邉
1年前に結婚を機に自宅を売却されたO氏。不動産会社で日々売却のお客様と接しているO氏はどのように自分の物件を売却したのでしょうか。売却体験を伺いました。
マンション購入の経緯:動機は「特定の地域に住みたい」というシンプルなものだったが、始めから売却前提で購入
渡邉:今日はよろしくお願いいたします。Oさんは数年前に自宅マンションを購入されたんですよね、購入の経緯を教えて下さい。
O氏:もともと千葉の郊外でアパート暮らしをしていたのですが3年過ぎたある日、都内に引っ越したい!と思い目黒辺りで物件を探し始めました。
ただ賃貸で住みたいと思う物件は目黒あたりでは10万円は超えるので、条件に合わせていき横浜周辺でマンションを購入しました。
渡邉:家賃を払うよりローンのほうが安い、という発想ですね。
O氏:そうですね。当時は独身でしたし、購入といっても一生住むとは考えていなかったので売却するときに売りやすい駅近・築浅のマンションを購入しました。
渡邉:始めから売却を見据えていたんですね。「駅近や築浅といった条件を持っていることが価格が落ちない要因である」ということを素早くつかめるというところが、不動産のお仕事をされている賜物ですね。
急転直下、購入後すぐに結婚することに。6ヶ月という短い期間で売却活動に入る
O氏:そうですね。人生というのは本当に急なイベントが発生するもので、購入したマンションには4月に入居したのですが、その間に結婚することになりその年の10月には引っ越しの必要が出てきたんですよ・・・
渡邉:おお・・それはかなり早い展開で売却の必要が出てきましたね。
O氏:幸せなことではあるのですが・・。トントン拍子に結婚後の引越し先も決まってすぐに売却活動に入りました。
売却活動方法:「1社に任せる」という選択肢は無し。自分の会社を含め2社に一般媒介契約で依頼
渡邉:急なことでバタバタだったと思いますが、売却活動はどのように行ないましたか。
O氏:自分の会社(A社)と知り合いの会社(B社)、合計2社に一般媒介契約で売却の依頼をお願いしました。
正直1社に任せる選択肢は全くなかったです。不動産仲介の仕事をしていると、仲介って確率論=チャンスの数だってことがわかるので、なるべく多くの会社、少なくとも2つの会社にお願いしようと思っていました。
各社物件によっての得意不得意があるのは分かっていますし、自社で成約になっても仲介手数料の値引きはあまり受けられなかったので、最初から仲介手数料を安く売却活動をしてくれる知り合いの不動産会社を選びました。
渡邉:仲介手数料が不利な中で自社でも売却をお願いされたのはなぜなのでしょうか。
O氏:一言で言えば「大手だった」からですかね。自社にこだわっていたわけではないのですが、大手なのでブランド力・広告力が高いのは事実なので、一般媒介契約で売却をしていました。
渡邉:一般の売主様がやられるようなことをご自身でも活かされたんですね。手数料値引きとか…
O氏:家は高い売り物ですからね。少しでも高く売却したいと思うし、少しでも仲介手数料など諸経費を抑えたいと思う売却するときの心理は同じだと思います。
この自分の売却活動の経験があったので、現在、相手の目線に立った営業ができるようになりました。
渡邉:自分が売却を経験すると、よりお客様の立場を想像できるようになりますよね。ちなみに売却活動期間中は、自社ともう一社の不動産会社を比べるとどちらを窓口として内覧が入ることが多かったのでしょうか。
結局仲介手数料値引きは強い。A社経由で申し込みが入ったものの、仲介手数料が安いB社で契約することに
O氏:売却活動を始めて1週間ほどで、問い合わせを受けた自社(A社)を窓口に他社(C社)からの案内が入りすぐに成約になったんですよ。
渡邉:それはまた早い展開ですね。その流れでいくと、問い合わせを受けた自社(A社)を窓口に売買契約を交わされたんですか。
O氏:流れ的にはそうなるんですけどね。やはり仲介手数料のことを考えてしまいました。あまりほめられたことではないのですが、一般媒介契約という制度を最大限に行使して、仲介手数料を値引きしてくれる知り合いの仲介会社(B社)に依頼をすることにしました。
客付けした仲介会社(C社)からも「同じ仲介手数料でやりますよ」って言われましたが、もともと知り合いのB社さんにお願いしちゃいましたね。
渡邉:おお、なかなか契約形態を最大限に活用した方法ですね・・不動産屋さんならではの発想といえますね。
O氏:媒介契約の知識があってこそですね。ただ、自分のようなお客さんがいたら本当に嫌ですけど…
一般媒介契約のメリットは速い成約。やり取りが多いことが最大のデメリット
渡邉:売却活動を始めてからわずかの期間で成約されましたが、売却活動を複数社に依頼する一般媒介契約って面倒には感じませんでしたか。私だったら、電話やメールのやり取りが面倒で専任媒介にしてしまうかも。
O氏:そうですね。まさにおっしゃる通りの面倒くささを感じていました。売却事情とか同じことを違う営業の方に話さなければならないですし、電話でのやり取りも本当に面倒でした。
渡邉:実際今お仕事されていて、売主さんは一般媒介を選ぶ傾向なのですか?専任媒介を選ぶ傾向なのですか?
O氏:専任媒介ではなく一般媒介契約を選ぶお客様が比較的多いですね。やはり多少の面倒臭さよりも「早く、少しでも高く」売れるほうが売主さんは望んでいますから。査定で呼ばれて訪問すると開口一番「一般媒介にするけど良い?」って言われるケースが多いですよ。
渡邉:やはりそうなりますよね・・売主さんも忙しい方が多いと思いますが、一般媒介での不動産業者とのやり取りでどのような工夫をされていますでしょうか。
O氏:そうですね。忙しい方が多いのでやり取りはメール、媒介契約締結のために不動産会社と会う、とメリハリつけて時間を取られる方が多いですね。ただ、やはり時間がなくて、メールの返信などスムーズにいかないケースもあります。
売主の課題は「やりとりの簡便化」と「多数の不動産会社への情報開示」の両立。解決する手は?
渡邉:工夫はされているとはいえ、実際に取引する不動産会社が増えるほど、売主さんの取られる時間と負担が増えますね。ある程度相場感や基礎情報が売主さん側に情報としてあれば、売主さんとしても少ない会社さんへの声かけで済むのでしょうか。
O氏:そうですね。ある程度相場感や売却の基礎情報があれば、時間を短縮して最適な売却ができると思います。
渡邉:色々と調べて、ある程度の売却の知識をつけてご相談来られる方が多いんですね。
O氏:やはり、ご相談の中で「複数社に売却を依頼したいけどそんなに時間が取れない」というお話はよく聞きます。HowMaさんで展開されている「HowMaコラボ査定」は、複数の不動産会社に一括で依頼できるだけでなく、不動産会社の査定や営業活動を一元管理できて時間の節約になり、売主にとって便利ですね。
渡邉:なるほど。不動産会社として、たくさんの会社と同じ土俵に立つのは、お客様が囲い込めないデメリットはあるものの、健全な競争が促されて売主さんにとっては利便性が高いと思いました。売主さんにとっても、お客様のために動いてくれる営業マンに出会えることが何よりですね。
今回はありがとうございました。
まとめ:不動産営業マンは「複数社への売却依頼」をする!そのメリットは「たくさんの買主候補の目に触れること」
インタビューにもあったように、現役大手不動産仲介会社営業マンが売却を行うときは、複数社に売却を依頼します。
理由は、各社それぞれに強みがあり、1社のみでは十分ではないからです。
ただ、不動産会社としては自社のみを窓口とする専任媒介契約を売主さんに勧めるのが費用対効果としては定石で、自己の成績と会社からの評価を優先にて仕事に取り組んでいる営業マンが多くいるのが現実です。
そんな営業マンもいざ自宅を売却することとなると、1社にこだわらず数社に依頼するということがこのインタビューから読み取れたのではないでしょうか。
「HowMaコラボ査定」は、複数の不動産会社に一括で依頼できるだけでなく、不動産会社の査定や営業活動を一元管理できて時間の節約になり、売主目線の嬉しい機能が満載です。
売ることを少しでも考えている方はぜひ、ご利用ください。