家を査定に出す前に準備しておくこと
家を売却するときには、不動産会社に査定を依頼します。
しかし、何も準備していない段階で不動産を査定にだしても、スムーズな取引は行えません。
家を査定に出す際には、主に4つのポイントがあることを理解しておきましょう。その4つとは、ローン残高の確認、家の物理的な情報や権利関係の情報の整理、家の片づけ、修繕記録の整理です。
特にローンが残っている状態では、売買の契約そのものができないケースがほとんどととなるため、ローンが残っている人は返済計画と売買計画を同時に立てなければなりません。
ローンの残高が残っていないか確認しておく
住宅ローンは、家を売却時に全額返済しておかなければなりません。
そのため、住宅ローンが残っている人は、今の時点でローンがどれだけ残っているか確認しておきましょう。
銀行に問い合わせを行うと、住宅ローン残高証明書を発行してもらえます。
売却価格を決める際の重要な情報の1つであるため、正式な数字を把握しておきましょう。
家の査定に必要となる情報・書類を整理しておく
査定の際に必要となる家の情報・書類を、まとめておきましょう。
戸建ての場合は、土地の実測図、建物の設計図、建築確認申請書などの書類を準備してください。
これらは、買主へ渡す書類となります。
これらの書類がなければ売れないわけではありませんが、ない場合は不動産会社に書類がない旨を伝えておきましょう。
内覧を行う場合は、片付け・整理をしておく
業者の査定では、片付けやハウスクリーニングによって値段が大きく変わることはあまりありませんが、内覧の前には片付けをしておきましょう。
内覧とは、購入希望者が家の中を見に来ることです。中古物件であるため、ある程度の使用感があることは仕方がないのですが、部屋を清潔にしているかどうかで印象が左右されることも考えられるので、できる限り綺麗にしましょう。
修繕をした場合は、修繕をした際の書類を準備しておく
修繕は、建物の資産価値を下げないための工事でもあります。
戸建てを売る場合は、外壁塗装やシロアリ予防、耐震などについて修繕工事をした履歴を確認しておきましょう。
いつどのような工事を行ったかを把握しておくことが重要です。工事をした際の書類が残っていたら、そろえておきましょう。
相場を調べて目標額を決め希望を伝えられるようにしておく
査定に出す前に、相場を調べておくようにしましょう。
売却相場を調べる方法は主に2つあり、ネットで売却相場を検索する方法と、不動産会社に似た条件の売却相場を聞く方法の2つです。
インターネットで情報を収集する場合は、サイトの種類によって取得できる情報が変わってきますので、次の点を参考にしてください。
まず、取引事例をもとに相場を把握したい人には、取引情報を提供しているサイトがおすすめです。
次に、時間がない場合は最も手軽に利用できるAI査定サイトを活用しましょう。
また、売り出し価格の相場を知りたい場合は、不動産ポータルサイトで調べます。一括で複数の業者から情報を得たい場合は、一括査定サイトがおすすめです。
似た条件の物件がどのくらいの価格で売り出されているか、相場感はどれくらいかなどの基準を把握しておくことで、不動産会社が出してくれる査定額が大きく外れていないかを確認できます。
家の査定から売却にかかる期間を計算しておく
一般的な家の売却には早くて3か月、もっと時間がかかるケースもあります。
一般的には、1年程度の期間を見越しておけば、計画が大きく変わる可能性は低いですが、一概にいえることではありません。
家の査定から売却までの流れとしては、売り出す前の査定のための不動産会社選びから、行動を開始します。不動産会社を選んだら、会社と一緒に売却プランを選びます。
ここまでで1か月程度は時間がかかると見積もっておきましょう。売却活動に入ったら、内覧会を実施し、売買契約の前段階まで進みます。
さらに売買契約が決まってから引き渡しと決済までに、1か月程度の時間がかかります。
売却に時間がかかりすぎる場合はどんなケースが多い?
家を売却することを決めたら、可能な限り早めに動きだしましょう。売却期間がかかりすぎるケースとしては、売り出す条件が相場と違っている、任せた不動産会社の対応がよくなかったなどのケースがあります。
売り出す条件が間違っているケースでは、相場と比較して高すぎても安すぎても、買い手がつきにくいことがあります。
また、不動産会社の販売能力が低いと、買い手を集める、内覧に買手を呼び込む、価格の交渉を行うなどの手順がスムーズにいかず、期間が長くなってしまう場合もあります。
このような失敗をしないためにも、最初から1社だけに売却活動を任せるのは避けましょう。
早く売れるようにするにはどうすればいい?
不動産を早く売りたい場合には、取引をする不動産選びが最も重要です。しかし優秀な不動産会社を見極めるのは難しいです。
そこで買手との接点を増やすために、まずは複数の不動産会社に査定に出しましょう。そしてまずは複数の不動産会社を並行で売却活動を進めることをお勧めします。まずは3ヶ月間、売却活動中の提案力や、その会社が持っている購入希望者ネットワークなどを見てから、不動産会社を絞っても遅くありません。
また、査定や不動産会社探しのスピードを高めるためには、不動産一括査定のサービスをうまく活用することで、少ない労力で複数の不動産会社とのやり取りを開始できます。
必ず複数の査定業者に依頼をする準備をする
査定は、必ず複数の不動産会社に依頼してください。
不動産会社が出す査定価格は、あくまで売却予想価格であり、その価格での売却を約束するものではありません。
しかし、査定価格は売り出す価格のベースとなるものであるため、高すぎればなかなか買い手がつかないですし、安すぎれば損をしてしまうことになります。
1つの業者の査定価格だけでは、相場と比較して高いか安いかの判断ができないので、複数の業者に依頼して価格を出してもらいましょう。
複数の不動産に査定を依頼することは手間に感じますが、今は一括査定のサービスがあります。
インターネットを利用して、簡単な手続きで複数社に一括で査定依頼を出せる無料のサービスがありますので、ぜひ活用してください。
次に、査定時に伝えておくべきポイントを3つ説明します。
査定時に伝えるべきことその1.希望の価格や時期
査定依頼時には、売り主の希望を正確に伝えましょう。
いつまでに売りたいか、いくら以上で売りたいかの2点は最重要事項です
。その他にも、近所の人にはできるだけ知られない形で売りたい、連絡はメールやラインで残るようにしておきたいというような細かい要望まで、自分の希望は明確に伝えるようにしておきましょう。
査定時に伝えるべきことその2.建物のウリになるポイント
査定時には自分の建物のウリ、強みになるポイントを伝えるようにしましょう。
例えば、1981年より前に新築された物件の場合、耐震基準が、旧耐震基準である場合があります。不動産会社は登記簿謄本の築年数でこれに該当しているかどうかを判断しますが、自分の物件が新耐震基準に適合している場合は正しく伝えておかないと不動産価格が下がってしまいます。
これらは住宅ローン控除が使えるか否かの判断基準にもなっている項目です。
このような自分の物件を有利にする項目については、担当者から聞かれるのを待つのではなく、必ず自分から伝えるようにしましょう。
査定時に伝えるべきことその3.瑕疵(かし)となる内容
瑕疵(かし)とは、品質を欠く点のことです。
つまり、その物件の欠点になるものです。雨漏りや土壌汚染などの物理的瑕疵、自殺や殺人事件があった心理的瑕疵などがある場合は、正直に申し出ましょう。
瑕疵があると物件の査定額は下がってしまいますが、これを言わないことで瑕疵担保責任を追及されてしまうことがあります。
のちのちのトラブルを避けるために、不利になるような情報がある場合も、必ず申し出るようにしてください。
家の査定時は、情報を整理して複数の業者に依頼をしよう!
不動産を売却することを決めたら、しっかりと準備をして査定に臨みましょう。
事前準備として押さえておきたい点は、ローン残高の確認、家についての必要となる情報の整理、内覧が行える程度の片づけ、修繕をした場合の記録です。
不動産は、不動産会社に査定を出したらすぐに希望の条件で売れるものではありません。
家の査定から売却までには、短くて3か月、もっと長くなれば1年以上かかるケースもあります。早くより高値で売却をするためには、できるだけ多くの不動産会社と繋がり、買い手を見つけてもらうルートをたくさん作ることが大切です。
インターネットで不動産一括査定サービスを使用すると、簡単な手続きで一度に複数の業者へ依頼をかけられるので、査定を依頼する業者を探すときはぜひ活用してみてください。