不動産を売りたいと思ったら
所有している不動産を売ることは、一生においても何度もあることではありません。
不動産売却が初めての場合、どんなやり方をしていいのか、必要なものは何か、戸惑う人も多いでしょう。
不動産をなるべく高く売るためには、売買の媒介を依頼する不動産会社も信頼できるところを選ぶ必要があります。
不動産売却を考えたときに、不動産会社に連絡する前にまずは自分でやるべきことがあるので紹介します。
売りたい理由を考える
不動産を売りたいと思った理由をもう一度考えましょう。
親や親戚から受け継いだ不動産を利用しないから手放すのか、今の物件を売って買い換えるために売りたいのか、それ以外で所有している不動産を売却して資金を調達したいのかなど、売ろうと考えた目的が明確になるといつ頃までにどんな形で売却を進めたいのかもはっきりしてきます。
不動産会社にも売りたいと思った理由を伝えるといいでしょう。
売りたい金額を出す
不動産の売りたい価格を考えましょう。
購入したときの価格から住んでいた年数や劣化具合を差し引いて金額を出したり、ローンの残りがいくらあるかを考えたりして、希望する売却価格の目安を出します。
実際には、不動産の立地や広さ、間取り、周辺環境のニーズなどさまざまな条件や環境を考慮して査定金額が出るので、希望する価格に届かない場合もあります。
しかし売りたい金額が決まっていれば、売却するタイミングや妥協できる査定額も見えてきます。
売却の相場を調べる
売却したい不動産の売値の相場を調べてみましょう。
不動産会社に査定してもらう前に、自分でもインターネットなどを使って調べられます。
複数の不動産会社に査定を依頼できる簡易査定を利用する、または周辺の不動産で現在売りに出ているものの中で、広さや築年数など条件が似ている不動産がいくらで売り出されているのかなどをチェックしてみてください。
相場がわかると売りたい不動産の査定額を提示されたときに安いか高いかの判断ができます。
不動産売却の方法とそれぞれのメリットデメリット
不動産を売却する方法は大きく分けると2つあります。
簡単ですぐに複数の不動産会社の査定額がわかる一括査定と、実際に売りたい不動産を詳しく見てもらって査定してもらう方法です。
どちらもメリットやデメリットがあるので、特徴を知ったうえで不動産の査定方法を選ぶといいでしょう。
インターネットなどの一括査定
インターネットを使った一括査定は、簡易査定とも呼ばれて自宅にいながら売りたい不動産の査定額がわかるとても便利な方法です。
不動産に関する情報をいくつか入力するだけで、複数の不動産会社の査定額が数分〜1時間程度の間にわかります。
一括査定を行うサイトはいくつもあり、それぞれ大手の不動産会社が登録していたり、地域密着の地元に強い不動産会社が多かったりと特色があります。
査定額はそれぞれの不動産会社によって違うので、いくつか査定してもらって比較してみるといいでしょう。
一括査定のメリット
一括査定のメリットは、すぐに不動産の査定額がわかる点です。
査定するときに選択した不動産会社から、大まかな査定額をその日のうちまたは3日程度でメールや電話などで教えてもらえます。
また、1社だけでなくいくつかの不動産会社から査定してもらえるので、どこが高い査定をしてくれたのか比較できます。
一括査定はすべて無料で行えるので、インターネットがあれば気軽に査定ができる点もメリットといえるでしょう。
一括査定のデメリット
一括査定のデメリットは、詳しい査定額ではないところです。
専有面積や間取り、築年数などの情報を入力して査定してもらいますが、多少情報が不明な場合でも査定ができます。
正確な査定額ではないので、詳しく査定した場合と差が出ます。また不動産会社によっても過去の販売実績や、得意な不動産の種類などによってどうしても査定額に差が出てしまいます。
さらに査定してもらった不動産会社から電話による営業行為が頻繁にある場合もあります。
不動産会社に来てもらう訪問査定
不動産会社の担当者に売りたい不動産を見にきてもらって査定する方法を訪問査定といいます。
不動産の築年数や、駅までの距離などの立地、広さ、間取りや日当たり、周辺の不動産の売却状況などさまざまな観点から不動産を査定して売却価格を算出してくれます。
実際に不動産を鑑定して査定してくれるのでより詳しい査定額を教えてもらえるだけでなく、売却活動に向けて専門的なアドバイスをもらえるでしょう。
訪問査定のメリット
訪問査定のメリットは、詳しい査定額がわかる点です。
一括査定の場合は、大まかな査定額しかわかりません。また今から3か月以内に不動産を売った場合の査定額となっています。
しかし、訪問査定の場合は、専門家が詳しく調査して査定するので、実際に売却する価格を決めるときの参考になります。
またいろいろな相談もできるので、初めて不動産売却をする人にもおすすめです。
訪問査定も不動産会社によって査定額は違うので、比較したい場合は、複数社に訪問査定を依頼してください。
訪問査定のデメリット
訪問査定のデメリットは、時間や手間がかかる点です。
不動産を詳しく調べて査定するので、担当者が来るときに立ち合わなければいけません。
また、複数の不動産会社に依頼して査定してもらう場合も、何回か時間を作って対応する必要があります。
正確な査定をしてもらうために、部屋の掃除や片付けなども済ませておいて家の中すべてを見てもらえるよう整える必要もあります。
査定の結果もすぐには出るわけではなく、1週間程度かかる場合もあります。
不動産売却の流れ
不動産売却の流れについて詳しく説明します。
一括査定も訪問査定も売却をする前に、便利に賢く利用しましょう。
訪問査定の際には、不動産会社の担当者に、不動産を売ろうと思った理由や、売り出したい時期、希望する売却価格、いつまでに売りたいかなどを伝えておくといいでしょう。
一括査定で相場を知り、売却を依頼する不動産会社を選ぶ
最初にインターネットの一括査定を利用して、売却したい不動産の査定額を比較してみましょう。
不動産会社によって査定額にかなりばらつきがあるはずです。高く査定してもらった業者に依頼したいと思いますが、価格だけで決めずに、まずは不動産会社の担当者とやりとりをしながら対応についてもチェックしてみてください。
一括査定で信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
訪問査定で詳しい売却価格を出してもらう
売買の仲介を依頼してもいいなと思える不動産会社が決まったら、次は訪問査定を頼んで詳しい査定額を出してもらいましょう。
より高い査定額をつけてもらうために、訪問査定の前に家の中を掃除しておいてください。
修繕が必要な箇所があったり、破損や傷があったりするところは隠さずに担当者に伝えましょう。
ほかにも不動産売却で不明な点や知りたいことがあれば、担当者にいろいろ相談してください。
売り出す価格を決めて売り出す
訪問査定からしばらくして、正式な査定額がわかります。
売却価格を決めるのは、不動産会社ではなく売主です。査定額をもとに売却価格を決定してください。
不動産会社の中には、自社で仲介したいために相場よりも高い査定額をあえてつけるところもあります。
しかし高すぎる価格ではなかなか不動産が売れない場合もあるので、適正な価格を売主が判断して決めましょう。
売買契約を結ぶ
住んでいる不動産を売り出す場合は、買いたい人が中を見にくる場合もあります。
売り出し中の間は、家の中を常に掃除してある程度きれいに片付けておくようにしましょう。
売値で買いたい人が出てきたら、売買契約を結びます。契約内容で、確認したいところや注意する点などをもう一度見ておきます。
売買契約を結ぶ段階で、買い手は手付金を払います。売主は売買を仲介してくれた不動産会社に仲介手数料の半額を支払います。
引き渡し日に不動産を渡す
売買契約をするときに、引き渡しの日程も買い手と話し合います。
引き渡し日が来たら、買主から残りの金額を受け取って鍵を渡して不動産を引き渡します。
売り主がまだローンを支払っている場合や、買主が住宅ローンを借りて購入する場合やなどは、別途手続きが必要です。
不動産売却の流れを知ってタイミングを見極めて売ろう
不動産売却は、売りたいと思ってすぐに売り出せるものではありません。査定をしてもらって売却価格を決めて、売り出します。
周辺物件の相場や不動産の価値などを正確に見極めて適正な売却価格で売り出すと、買い手も早くつきます。
一括査定や訪問査定などを利用して、準備を進めましょう。売りたい金額や売りたい時期などを決めておくと売却活動がスムーズに進みます。