購入時・保有時・売却時の不動産の税金

購入時・保有時・売却時の不動産の税金

今回は不動産の税金について、購入時、保有時、売却時のパターン別にどのようなものがあるか紹介したいと思います。

税金と聞くと面倒だったり、難しいイメージがあるかと思いますが、ここだけは押さえてほしいポイントをまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

不動産を購入した時の税金

・消費税 8%

消費税は建物の代金と成約時に不動産会社に支払う仲介手数料にかかります。

意外と知られていませんが、土地は非課税のため消費税はかかりません。

例えば、4,000万円する新築一戸建ての価格の内訳が土地2,500万円、建物1,500万円だとしたら、税率8%で消費税は120万円となります。

また、中古不動産の場合、不動産会社がいったん買い取って販売する物件(リノベーション物件などのことです)は新築と同じ扱いで建物に消費税がかかりますが、個人が売り主になっている物件は建物にも消費税はかかりません。

不動産会社に支払う仲介手数料については、宅建業法で売買価格の3%+6万円が上限と定められており、先ほどの4,000万円の物件だと11万円弱程度になります。

・不動産取得税 3%

不動産を取得する際にかかる税金です。

税率だけをみると消費税に続き、重い税負担のイメージを持ちますが、不動産取得税は購入代金にではなく、固定資産税評価額に3%かかります。

固定資産税評価額とは、その不動産が所在する市町村が一定のルールで計算しており、土地も建物も時価より30〜40%程度下回る評価額になります。

また、別に軽減措置も設けられており、土地は固定資産税評価額の2分の1が課税対象となります。

さらに新築の建物の場合は、固定資産税評価額から1,200万円が控除される特例もあります。

その他にも土地や建物の面積に応じて税額が軽減されるケースもあり、不動産取得税がゼロというケースも少なくありません。

・登録免許税 1.5%(土地)0.15%(建物)

土地や建物に関する権利関係を登記簿に記載する際にかかる税金です。

所有権を登記するには、土地は固定資産税評価額の1.5%、建物は0.15%を納税することになります。

新築建物の場合は、所有権の登記以外に表題の登記をする必要もあります。

また、住宅ローンを組む際に金融機関が担保として購入した土地や建物に抵当権を設定しますが、この抵当権の登記も基本的には買主が負担することになります。

・印紙税 3万円

不動産の売買や住宅ローンなどの契約書にかかる税金です。

1000万円超5000万円以下の売買契約なら1万円、5000万円超1億円以下なら3万円となっており、契約金額が大きくなればなるほど税額が高くなります。

東京都内の物件の場合は、印紙税3万円が1番多いのではないでしょうか。

不動産を保有した時の税金

・固定資産税 1.4%

不動産の所有者にかかる税金です。

毎年1月1日時点の所有者に課税され、税額を決める市町村によって多少のバラツキはあるものの、税率は固定資産税評価額の1.4%となっています。

但し、住宅用地には軽減措置があり、土地は200平方メートルまでは課税対象額を6分の1にできます。

また、新築の建物にも特例があり、2階建の戸建てなら3年間、マンションなら5年間については建物面積120平方メートルまで課税対象額を2分の1にできます。

さらに土地面積が200平方メートルを超えたとしても建物の床面積の10倍までは軽減措置があります。

・都市計画税 0.3%

都市計画区域内の不動産の所有者にかかる税金です。

都市計画区域内とは、「自然的・社会的条件、人口、産業、土地利用、交通量等の現況とその推移を考慮して、一体の都市として、総合的に整備し、開発し及び保全する必要のある区域として指定されたもの」です。
ちなみに東京都では、23区内は全て都市計画区域内に入っています。

税金軽減の特例として、土地は200平方メートルまでは固定資産税評価額の3分の1が課税対象となります。

また、固定資産税と同様に土地が200平方メートルを超えていても建物の床面積の10倍までは軽減措置があります。

不動産を売却した時の税金

・譲渡所得税 20.315%

不動産を売却(譲渡)した時にかかる税金です。

譲渡所得税は売却する不動産の保有期間によって税率が大きく変わってくるので注意が必要です。

保有期間が5年以下の場合は39.63%、保有期間が5年超10年以下の場合は20.315%、保有期間が10年超の場合は14.21%となります。

ただし、譲渡所得税にも軽減措置があり、売却不動産が自宅の場合は、3,000万円の売却益まで非課税となります。

この3,000万円控除の特例は住宅ローン減税と併用できないので注意が必要です。

売却益の特例か、住宅ローン減税か、どちらがお得かしっかりとシュミレーションした上で活用することをお勧めします。

いかがでしたでしょうか?
不動産に関わる税金は種類が多く、全てを詳細に把握するのは至難の技ですが、ここで取り上げたものについては、ぜひ理解を深めて役立てて頂ければと思います。