山手線内では3駅のみ、新幹線が停車します。3駅のうちの一つである品川駅は、まさに巨大ターミナル駅。
今回は品川駅周辺の周辺の不動産の相場についてお伝えします。
品川駅とは
品川駅は、東海道新幹線をはじめJR東日本及びJR東海、京浜急行などが乗り入れる都内でも屈指のターミナル駅です。
1日の平均乗降員数は約100万人とターミナル駅の中でも上位に位置し、特にJR東日本の乗降員数は38万人で、2016年には渋谷駅を上回りました。
JRは山手線・京浜東北線・横須賀線及び東海道線が通っており、特に東海道線から東北本線へ乗り入れる上野東京ラインは郊外と都心を結ぶ路線として非常に利便性が高く多くの通勤客が利用しています。
また、新幹線からの乗り換えにも便利なため、ビジネスや観光で訪れた人々にも重宝されています。
更に、横須賀線の線路を利用する成田エクスプレス及び京浜急行羽田空港行が停車する駅でもあり、空港へのアクセスも良好。陸路・空路に便利な駅として有名です。
駅の歴史は古く、明治5年に日本初の鉄道駅の一つとして開業しました。
地理的には高輪台の台地の裾野に位置しており、開業当時現在の東口側はほぼ海でした。
のちに埋め立てられて造成された湾岸区域で、現在はタワーマンションが立ち並ぶエリアとなっています。
駅の名称は品川ですが立地的にはブランドイメージの高い港区に位置しており、近隣の家賃相場は高めです。
便利かつブランドイメージのある駅なので資産価値は高いと言えるでしょう。
品川駅周辺エリアの売買相場価格、賃貸相場価格
鶯谷駅から徒歩10分圏内のエリアをピックアップし、それぞれの売買相場価格と賃貸相場価格をHowMaの不動産相場マップにて調査しました。
広さ/築年数別の品川のマンションの相場、決して安くはないが、将来性や利便性を考えると高いわけではない
品川駅はリニアモーターカー新幹線の開通時には始発駅に予定され、都内でも屈指の交通の要所になっています。
それだけに不動産の相場にも注目したいところです。HowMaで収集しているビッグデータをもとに、2019年8月時点における品川駅周辺のマンションの相場および賃貸の相場を算出してみました。
まずは以下の表で確認してみましょう。
広さ (主な間取) | 築年数 | 買ったら 売ったら | 買ったら 値下がり率 | 借りたら 貸したら |
25㎡ (1K) | 新築 | 3,400万円 | – | 13万円 |
〃 | 10年 | 2,900万円 | 85.3% | 11.4万円 |
〃 | 20年 | 2,400万円 | 70.6% | 10.5万円 |
〃 | 30年 | 1,900万円 | 55.9% | 10.5万円 |
50㎡ (1LDK) | 新築 | 6,800万円 | – | 25.2万円 |
〃 | 10年 | 5,800万円 | 85.3% | 21.9万円 |
〃 | 20年 | 4,800万円 | 70.6% | 20.2万円 |
〃 | 30年 | 3,700万円 | 54.4% | 20.2万円 |
70㎡ (2LDK) | 新築 | 9,600万円 | – | 34.4万円 |
〃 | 10年 | 8,100万円 | 84.4% | 29.8万円 |
〃 | 20年 | 6,700万円 | 69.8% | 27.5万円 |
〃 | 30年 | 5,200万円 | 54.2% | 27.5万円 |
80㎡ (3LDK) | 新築 | 1億1,000万円 | – | 38.7万円 |
〃 | 10年 | 9,300万円 | 84.5% | 33.7万円 |
〃 | 20年 | 7,600万円 | 69.1% | 31.1万円 |
〃 | 30年 | 6,000万円 | 54.5% | 31.1万円 |
品川駅のマンションの相場は新築の単身者向けであれば3,500万円前後と、かなりの額に及んでいます。
山手線内でも上位に入るほどの相場ですから新築のファミリー向け物件を購入する場合、1億円は見積もっておかなければいけません。
ただし、新幹線の停車駅かつ周辺に有名企業のオフィスがたくさんある駅であることを考えれば、この相場は決して高いとは言えないかもしれません。
利便性は非常に高く、品川駅の付近に住んでいれば通勤に苦労することはないでしょう。
快適な住環境ながら渋谷や目黒などと比べれば、相場はそこまで高くありません。
現地での居住が難しくても投資用の物件を購入すれば、住環境に恵まれた同エリアでは空室に悩むことのない安定した運営が見込めます。
値下がり率に関しては他の駅とさほど変わりません。10年で85%前後、20年で70%前後、30年で55%前後になっています。
品川駅の周辺で最もマンションが高い場所は、北品川エリア
HowMaではエリア別に品川駅周辺のマンションの相場を確認できます。
そこでマンションが最も高く売買されているエリアがどこなのか、目を通してみましょう(築10年・80平方メートルマンションのデータをもとに算出)。
町名 | 売買相場 |
北品川 | 8,800万〜1億1,000万円 |
東五反田 | 8,600万〜1億1,000万円 |
高輪 | 8,500万〜1億円 |
港南 | 6,800万〜8,300万円 |
品川駅の周辺で最も高く不動産が売買されているのは、北品川です。
北品川・東五反田・高輪のいずれも高級住宅街として有名なエリアであり、価格帯は8,000万円以上とかなりの高額になっています。
いっぽうで港南エリアだけは6,800万円と、上記の3エリアと比較して価格が80%程度です。
お買得なマンションを探すのであれば、港南エリアが狙い目だと言えそうです。
品川駅の周辺で最も家賃が高いのは、北品川エリア
HowMaではエリア別に家賃の相場も算出可能ですので、投資用物件を購入したいときは参考になります。
そこで品川駅の周辺における家賃の相場を以下の図にまとめてみました。
町名 | 賃貸相場 |
北品川 | 27.1万〜33.2万円 |
東五反田 | 25.7万〜31.4万円 |
高輪 | 24.9万〜30.4万円 |
港南 | 23.8万〜29.1万円 |
こちらの順位もマンションの売買の相場と全く同じです。
ただし、北品川・東五反田・高輪のマンションの価格はほとんど同じだったのに対し、賃貸の相場では1割ほどの差がついています。
もし賃貸物件を購入する場合、北品川に物件を購入したほうが家賃を高く設定できるでしょう。
港南エリアでは売買および賃貸の価格が程々の値段になっていますが、表面利回りは一番良い数字を出しています。
品川駅の周辺で土地の価格が最も上昇しているのは、港南3丁目
土地の価格を示す指標の一つに公示地価があります。
2018年から2019年までの品川駅周辺の土地の相場がどの程度上昇しているかを示すデータが以下の図です。上昇率が高い順番に並べてみました。
順位 | 住所 | 地価 | 坪単価 | 前年比 |
1位 | 港区港南3-7-23 | 107万0000円/m2 | 353万7190円/坪 | 11.69% |
2位 | 港区港南2-16-2 | 1070万0000円/m2 | 3537万1900円/坪 | 9.18% |
3位 | 港区高輪3-25-22 | 465万0000円/m2 | 1537万1900円/坪 | 8.90% |
4位 | 港区港南2-3-1 | 481万0000円/m2 | 1590万0826円/坪 | 8.09% |
5位 | 港区港南2-13-37 | 356万0000円/m2 | 1176万8595円/坪 | 7.23% |
6位 | 品川区北品川1-8-14 | 124万0000円/m2 | 409万9173円/坪 | 6.90% |
7位 | 品川区北品川1-24-4 | 82万3000円/m2 | 272万0661円/坪 | 6.88% |
8位 | 港区高輪4-20-19 | 124万0000円/m2 | 409万9173円/坪 | 5.98% |
9位 | 港区高輪3-5-12 | 122万0000円/m2 | 403万3057円/坪 | 4.27% |
最も上昇率が高かったのは港区港南の3丁目です。次いで港南2丁目です。
ただし、同じ港南でも3丁目は坪単価350万円とほどほどの価格であるのに対し、2丁目は3,500万円と飛び抜けて高額です。
全体的に見れば品川区よりも港区のほうが値上がり率は高く、また、地価自体も高いです。
現在、港区の人気が大きく上がってきていることが、このデータからわかってきます。
品川駅の周辺で人口が増えているのは、西南方面のエリア
2010年と2015年の国勢調査の比較をもとに、品川駅周辺の人口動態の様子を見てみます。
品川駅の周辺で人口が増えているエリアが分かれば、不動産を購入する場所を決めるときの参考になります。
港区周辺のデータを見ると、五反田より西側のエリアに人口が増加あるいは集中していることが分かってきます。
品川駅の周辺でも東口はそこまで人口が増加していませんが、土地の相場が安いこともあって湾岸寄りの上昇率がやや高めになっています。
大崎や五反田などの不動産の相場が手頃なエリアで人口が増加し、同時にマンションも多く建てられていると言えるでしょう。
品川駅各方面の特徴と著名なマンション
多くのビジネスマンが行きかうオフィス街のイメージが強い品川駅は、東側と西側で大きく雰囲気が変わります。
新しく開発され今なお発展の続く東側(港南口)と、駅の開業と同時に発展してきており、どこかレトロな雰囲気の残る西側(高輪口)。
どちらにも多くの魅力があります。
そのブランドイメージに違わずお店も高級志向のものが多く目につきますが、マルエツやピーコックストアといった庶民的なスーパーもいくつかあるので買い物に困ることはありません。
空港・新幹線にダイレクトアクセス可能なターミナル駅のため、日本人は勿論外国人も多く行きかっており、国際色豊かな雰囲気が味わえます。
駅前は飲食店も多く外食が多い方でも困りません。
東側(港南口側)
古くは海であった場所を埋め立て造成した土地が殆どなのがこの港南口側です。
海路での運送に便利な立地なため、かつては倉庫や工場の多い地帯であり長く開発が遅れていた地域でもありましたが、近年は再開発により多くのオフィスビルやタワーマンションが立ち並び、一種のステイタスとして人気を誇っています。
電車に加え長距離バスや深夜運行のバスのターミナルもあるため、終電を逃したり旅行の際にも重宝します。
東側の代表的なマンション
品川タワーレジデンス
シンプルながらスタイリッシュなデザインを取り入れた外観と豊かな緑に彩られたアプローチ、高輪という希少な立地と多くの魅力が詰まったマンションです。
地上25階建てのタワーは制振仕様で万が一の地震でも安心できます。
1LDKから3LDKまでの幅広い間取りで、単身者からファミリーまで対応可能。
様々な形態の家庭とコミュニケーションが取れる魅力もあります。また、フロントサービスや宅配ボックスもありますので、単身者や共働き世帯でも時間を有効に活用することができるでしょう。
西側(高輪口側)
南側に高級住宅地として有名な高輪・白金を有する地域で、古くから栄えてきました。
駅前すぐには高輪プリンスホテルを核とした高輪森の公園があり、観光にもビジネスにも便利な立地です。
その他、駅前にはウィング高輪やSHINAGAWA GOOSなど商業施設もあるため、ちょっとしたお買い物には困りません。
古くから栄えてきた街であり、大通りから一本入った路地などはどこかレトロな雰囲気が漂っています。
西側の代表的なマンション
シティタワー品川
地上43階建ての圧倒的存在感を放つタワーマンションです。
住戸は回廊式に設計されており、中央部分が吹き抜けになった独特のデザイン。
エントランスや内廊下もホテルライクな内装で高級感が漂います。
フロントコンシェルジュや各種共用設備も充実、敷地内に美容院やスーパー、クリニックもあるため小さなお子様を持つご家庭でも快適に暮らせます。
品川Vタワー
白を基調としたV字型の建物が独特で目を引きます。駅前の再開発に伴い2003年に登場した複合地区「品川グランドコモンズ」の一角にあり、品川駅まで直結の立地なので利便性が非常に高いです。
オートロックや防犯カメラに加え24時間有人管理で、防犯面においても安心して暮らせます。
品川駅周辺エリアのまとめ
従来の新幹線とリニアモーターカー方式の新幹線、2つの新幹線が今後は通る予定の品川駅。
また、山手線30番目の駅として品川と浜松町の間に高輪ゲートウェイ駅が建設中です。
周辺の開発予定を見れば、山手線の中でも最も多い開発計画を抱えている駅が品川駅であり、周辺の不動産の需要はこれから先もますます増えるでしょう。
それでいて意外と品川のマンションは、ずば抜けて高いわけではありません。
品川駅の周辺の相場を見る限り、品川区内よりも港区内の土地の価格が上昇しています。
まだお手頃なうちに品川区内の物件を購入すれば、これから先の値上がりが期待できますし、安定した賃貸の需要も見込めるでしょう。
地価はこれから先も値上がりする可能性が高く、不動産を売ろうと検討している人はもう少し動きを注視してからのほうが良いかもしれません。
そういった不動産相場の敏感な変動はHowMaで簡単に確認できます。是非ともHowMaで定期的に品川駅周辺の不動産の相場をチェックしてください。
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※東京23区ごとのマンション相場レポートは以下の記事をご参照ください。