JR山手線各駅のマンション相場レポート記事、第4回のエリアは目黒駅です。
近年人気が高い目黒駅の近隣エリアは売買賃貸ともに上昇トレンドの印象がありますが、実際はどうでしょうか。
今回もHowMaの不動産相場マップを元に調べた結果をレポートします。
目黒駅の特徴は
JR山手線、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線が乗り入れる目黒駅。JRだけでも1日平均11万人強の乗降員数を誇り、JR東日本全駅の中でも30位前後とかなり上位に位置しています。その他東急電鉄、東京メトロ、都営地下鉄を含めると30万人超と、非常に乗降員数の多い駅です。
これは2000年度に東急電鉄との直通運転を開始した影響も大きいです。南北線は埼玉高速鉄道、三田線は東急目黒線と相互直通運転を行っており、郊外から都心へと通勤・通学する人々の乗り換え経由駅としても広く使われていることが窺えます。
目黒駅という名前ながら、所在地は目黒区ではなく品川区で、目黒区・港区・渋谷区に隣接する位置づけになっています。徒歩圏内に4区が隣接していることになり、区によってマンション相場もまちまちです。
目黒駅周辺エリアの売買相場価格、賃貸相場価格
目黒駅徒歩圏内のエリアをピックアップし、それぞれの売買相場価格と賃貸相場価格をHowMaの不動産相場マップにて調査しました。
広さ/築年数別の目黒マンション相場 広めのマンションは値下がりしやすい!?
目黒エリアを、HowMaの機能で売買相場及び賃貸相場を物件の面積や築年数別に算出しました。物件の値下がり率も記載しています。
広さ (主な間取) |
築年数 | 買ったら 売ったら |
買ったら 値下がり率 |
借りたら 貸したら |
25㎡ (1K) |
新築 | 3,600万〜4,400万円 | – | 10.2万〜12.4万円 |
10年 | 3,100万〜3,800万円 | 86.1% | 8.9万〜10.8万円 | |
20年 | 2,500万〜3,100万円 | 69.4% | 8.2万〜10.1万円 | |
30年 | 2,000万〜2,400万円 | 55.6% | 8.2万〜10.1万円 | |
50㎡ (1K) |
新築 | 7,300万〜8,900万円 | – | 19.7万〜24万円 |
10年 | 6,200万〜7,500万円 | 84.9% | 17.1万〜20.9万円 | |
20年 | 5,100万〜6,200万円 | 69.9% | 15.8万〜19.3万円 | |
30年 | 4,000万〜4,900万円 | 54.8% | 15.8万〜19.3万円 | |
70㎡ (1K) |
新築 | 1億〜1億2,000万円 | – | 26.9万〜32.8万円 |
10年 | 8,600万〜1億1,000万円 | 86.0% | 23.3万〜28.4万円 | |
20年 | 7,100万〜8,700万円 | 71.0% | 21.4万〜26.2万円 | |
30年 | 5,600万〜6,800万円 | 56.0% | 21.4万〜26.2万円 | |
80㎡ (1K) |
新築 | 1億2,000万〜1億4,000万円 | – | 30.2万〜36.9万円 |
10年 | 9,900万〜1億2,000万円 | 82.5% | 26.3万〜32.2万円 | |
20年 | 8,100万〜9,900万円 | 67.5% | 24.3万〜29.6万円 | |
30年 | 6,400万〜7,800万円 | 53.3% | 24.3万〜29.6万円 |
近年高級住宅地、そして大人の街として人気が上がってきている目黒エリア。それだけに、単身者向けマンションでも4,000万円前後という非常に高い値段になっています。ファミリー向けのマンションを購入すれば1億円以上のものばかりであり、一般的な収入の方ではなかなか購入できない価格帯と言えます。
値下がり率で見てみるとなかなか値下がりしにくいのは、70平方メートル、そして25平方メートルという一般的なファミリー向け、単身者向けの物件となっています。
80平方メートルというやや余裕のある広さの物件の値下がり率が高いのは、価格が高すぎてなかなか売れないという事情があるのかもしれません。
ファミリー向け物件の需要は、目黒駅付近でも十分にあると考えられそうです。
目黒駅周辺で最もマンションが高い場所は三田エリア
次に目黒駅周辺のエリアにおける売買相場を確認してみましょう。物件例は築10年、面積80平方メートルのマンションを基準としてデータを採取しています。
町名 | 売買相場 |
三田 | 1億3,000万〜1億6,000万円 |
上大崎 | 1億1,000万〜1億3,000万円 |
白金台 | 9,400万〜1億2,000万円 |
目黒 | 9,500万〜1億2,000万円 |
東五反田 | 8,500万〜1億円 |
下目黒 | 8,100万〜9,800万円 |
西五反田 | 7,700万〜9,400万円 |
目黒駅エリアの中でも突出して価格が高いのは、高級住宅地と知られる三田エリアにあるマンションになっています。目黒周辺のマンション相場が1億円前後ですから、その1.5倍近い値段になっています。高級なタワーマンションが立ち並ぶだけに、土地価格が反映されているだけではなく、質の高い物件そのものの価値が、価格に反映されてと言えるでしょう。
逆に五反田方面にあるマンションであれば、8,000万円以下で購入できるものもあるようです。それでも一般的な収入の人にはなかなか購入できない価格帯ですが、共働きで余裕のある世帯であれば西五反田方面向けにマンションを狙ってみるのもいいかもしれません。
価格差が極端に大きいのが、目黒駅周辺のマンション相場の特徴だと言えます。
目黒駅周辺で最も家賃が高いのは白金台エリア
家賃相場でみた時に、投資効率が良いのはどのエリアになるでしょうか。
町名 | 賃貸相場 |
白金台 | 30.6万〜37.5万円 |
三田 | 25.8万〜31.5万円 |
東五反田 | 25.7万〜31.4万円 |
目黒 | 25.1万〜30.6万円 |
上大崎 | 24.4万〜29.8万円 |
西五反田 | 23.5万〜28.7万円 |
下目黒 | 23.4万〜28.6万円 |
家賃相場でみると、実は三田よりも白金台の方が家賃相場がかなり高くなっています。三田は家族で住む人が多くないため、あまり賃貸物件の需要はないのかもしれません。白金台の家賃相場の方が2割近く高くなっており、高級マンション物件を運営するのであれば白金台の方が向いていると言えるそうです。
目黒エリアの中で比較的安価である西五反田と下目黒の2エリア。この2エリアのマンション相場は、西五反田が最下位でしたが、家賃では逆転し家賃相場は下目黒が最下位になっています。
つまり西五反田は、賃貸物件を運営するのに向いているエリアだと言えます。三田とはマンションの価格で2倍近い差がありましたが家賃相場を見る限り、その差は10%もありません。
必ずしも高級マンションだからといって、家賃を高く設定できるわけでもないようです。
目黒駅周辺で一番土地価格が上昇しているのは上大崎1丁目
次に国土交通省が発表している公示地価から、目黒駅周辺エリアで今地価が上昇している場所を見てみましょう。
順位 | 住所 | 地価 | 坪単価 | 前年比 |
1位 | 品川区上大崎2-13-35 | 335万0000円/m2 | 1107万4380円/坪 | 9.84% |
2位 | 目黒区下目黒1-1-11 | 363万0000円/m2 | 1199万9999円/坪 | 7.40% |
3位 | 品川区上大崎2-13-41 | 130万0000円/m2 | 429万7520円/坪 | 6.56% |
4位 | 目黒区下目黒3-4-2 | 121万0000円/m2 | 399万9999円/坪 | 6.14% |
5位 | 品川区上大崎1-1-14 | 141万0000円/m2 | 466万1157円/坪 | 6.02% |
6位 | 目黒区三田2-1-5 | 120万0000円/m2 | 396万6942円/坪 | 5.26% |
7位 | 目黒区目黒2-1-18 | 97万3000円/m2 | 321万6528円/坪 | 4.96% |
8位 | 品川区上大崎3-10-35 | 110万0000円/m2 | 363万6363円/坪 | 4.76% |
9位 | 品川区上大崎2-6-12 | 111万0000円/m2 | 366万9421円/坪 | 3.74% |
10位 | 目黒区三田2-18-8 | 97万1000円/m2 | 320万9917円/坪 | 3.74% |
最も近く上昇しているエリアは上大崎方面、ついで下目黒になっています。このツートップは地価で見ても目黒駅付近の中ではダントツに高いエリアと言え、駅付近の地下が大幅に上昇していることが分かってきます。
大崎方面の地価は全体的に見ても上昇傾向にあるので、値上がり目的の投機用マンションを買う人は上大崎方面が狙い目ですし、すでにマンションを持っている人も売るタイミングが到来していると言えそうです。
また、すでに具体的に住みたいエリアや気になっているマンションなどがある場合にはHowMaのAI査定で相場価格を調査することが可能です。
HowMaでの相場価格を調べる方法やご自身で相場価格を算出する方法については以下の記事に詳しく解説されてます。
参考記事:誰にも知られず自宅の相場価格を調べる究極の方法【土地・戸建・マンション別】【2024年最新版】
目黒駅周辺で人口が増えているのは東口方面
国勢調査のデータから、目黒駅周辺の人口動態を確認してみます。
2010年と2015年の国勢調査の比較では、目黒駅半径800メートル(徒歩10分)県内では、以下のように人口が変動しています。
ほとんどのエリアで人口が増加していますが、特に人気が高くなっているのは駅の東と南方面となっています。東京23区では城南地区が人気があるとよく言われますが、目黒においても東口南口方面の方がマンション需要が高くなっていることが分かります。またこれらのエリアはやや価格帯が低めのエリアになので、人口が増えやすいのかも知れません。
目黒駅各方面の特徴と著名なマンション
目黒駅周辺はうるさすぎず静かすぎず、適度な賑わいの中に落ち着いた雰囲気があるのが特徴です。周辺の人口比率をみると、30代・40代が多く、未成年が少なっています。1人世帯がほぼ半数を占めるなど、DINKS世帯や単身世帯が多いことが窺えます。
そのため、タワーマンションや単身者向けマンションなどが多いエリアでもあります。駅前には隠れ家的な飲食店から庶民的なお店まで、様々なお店が揃っているのも特徴です。近辺は城南五山と呼ばれる高級住宅街が展開しており、瀟洒な街並みが目を引きます。六本木や麻布といったエリアほどではありませんが、外国籍の方も多く飲食店も多国籍で開拓の楽しみがあるでしょう。
目黒駅東口の特徴
目黒駅の東口は雑居ビルが多いのが特徴です。首都高速2号目黒線や目黒通りなど大通りがあり、車の交通量が多いのもこちらの口です。少し歩くと高福院や庭園美術館など閑静で緑豊かな施設も多く、休日の憩いの場としてもぴったりでしょう。
目黒駅東口にある代表的なマンション
ブリリアタワーズ目黒レジデンス
ひときわ高くそびえたつタワーと緑豊かな敷地が高級住宅街にふさわしいマンションです。サウスレジデンスとノースレジデンスから構成されており、ビッグコミュニティの利便性を享受できるでしょう。エントランスホールや内廊下なども洗練されたデザインでまとめられており、ラグジュアリーな生活を予感させてくれます。ゲストルームやパーティールームなど共用設備も充実しており、屋上デッキからは白金の街並みが一望できます。
朝日白金台マンション
ブラウンを基調としたタイル張りの外観が重厚な佇まいを見せるマンションです。日勤の管理人がいますので、共用部分も整備もよくされており、いざという時にも安心できるでしょう。ワンルームから2LDKの間取りで、単身者やDINKS夫婦にぴったり。オートバス、食洗器、浄水器が標準で装備されており、忙しい共働き世帯でも快適な生活を送れます。
目黒駅西口の特徴
目黒駅から西に少し歩くと、ランドマークと言うべき目黒雅叙園アルコタワーがあります。その先には桜の名所としても有名な目黒川が流れており、四季折々の自然を楽しみながら散策する楽しみが増えること間違いなし。ジョギングコースとしてもぴったりです。高級住宅街らしい瀟洒なマンションも多く建っていますが、庶民的なお店や昔ながらの商店街もあり、暮らしやすいでしょう。
目黒駅西口にある代表的なマンション
パークナード目黒カレン
目黒川沿いに建つ分譲賃貸マンションです。アクリルパネルをふんだんに使った透明感のある佇まい、春の桜は勿論、目黒川の四季折々の自然をごく間近に感じながら過ごすことができるのが魅力です。エントランス及びエレベーターにオートロックを設置、24時間セキュリティサービスの導入で安心の暮らしを手に入れられます。
目黒駅周辺エリアのマンション相場まとめ
目黒の中でも特に人気上がっているのはマンションでは三田や白金台といった高級住宅と呼ばれるエリアです。土地の値段で需要を見るのであれば、駅の非常に近い場所が急激な上昇を見せておりそのような場所にマンションを買えば、将来的な高値での売却が狙えるでしょう。
一方比較的リーズナブルな五反田方面も土地価格はそこそこ値上がりしていますし、家賃相場も決して低くないので、投資効率が良くなっています。
ご自分がどのような目的でマンションを買いたい・売りたいのかに合わせて、目黒駅周辺の中でもエリアをしっかりと見定めて購入していきましょう。
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